昔から、異性に気持ちを伝える手段として、“手紙”が多く使われていた。

その中には、相手を想う、数々の言葉がつづられている。

時は、2017年の東京。

日々行き交うLINEに対して、現代の男女は何を想うのか。

未読スルーでも既読スルーでもなく、丁寧なLINEをくれるのに、二人でご飯に行けない武雄に焦りを募らせるひとみ。

その真相や、いかに。




「武雄、今彼女いるのか?」

大学の、正確に言うと中等部からのゴルフ部の先輩である圭吾さんと飲んでいた時、急に振られた質問に思わず咳き込んだ。

「今、いないんですよ。この前彼女と別れちゃって。」

先月、色々あって彼女と別れた(未だ引きずっており、傷心中)。

そんな話をしていると、圭吾さんは意気揚々と同期を紹介すると言い始めた。

「綺麗で、いいやつで。武雄に紹介するよ。」

先輩の発言は、絶対である。

しかも圭吾さんはただの大学の先輩ではない。“ゴルフ部”の先輩だ。有無も言えないまま、気がつけばその翌週に三人で食事をすることになった。

それがひとみさんとの出会いだった。



「噂通りの素敵な後輩!圭吾、やるじゃん。」

ひとみさんは明るくて性格も良さそうで、且つとても綺麗な人だった。何で彼氏がいないのか、少し不思議に思う。

「ひとみさん、そんなお綺麗なのになんで彼氏がいないんですか?俺だったら放っておかないけど。」

そう言うと少し照れるひとみさんを見て、年上ながらもちょっと可愛いなと思った自分がいた。

「ひとみと武雄、合うと思うんだけどなぁ〜。どうよ?」

俺の肩をバシバシと叩きながら圭吾さんが笑っている。そんな圭吾さんを横目に、自分は話が途切れぬよう、気を遣う。

先輩の手前、盛り上げるのが後輩の役目だから。

もちろん、LINEにおいてもその上下関係は、絶対、である。


LINE上の上下関係?女には分からぬ男の先輩後輩の絆とは


A1:先輩に“LINEしろ”と言われたらするのが後輩の務め


その日、帰宅すると圭吾さんからLINEが入っていた。もちろんすぐに返信する。自分が送った直後に、ひとみさんのLINEも続く。




当たり障りのない、食事会後のグループLINE。まさにそんな感じだろう。

そのままバサッとベットに倒れこみながら、さっき出会ったひとみさんのことをふと考える。

東京は出会いで溢れている。毎日が出会いの連続で、恋人を探している男女の数も多い。

それなのに、“この人だ!”と思えるような人に出会える確率の、なんと低いことだろうか。

運命なんて信じていないし、そんなものがあると言う人は嫌いだ。でも、出会った瞬間に心惹かれるような女性を、つい求めてしまう。

ひとみさんは良い人だけれども、前の彼女を未だに引きずっており、今は次の恋にいけない自分がいる。もう少し、時間を置こう。

悠長に構えていたが、翌日、圭吾さんからLINEが入り、慌てて襟を正した。




先輩からこう言われたら、LINEしない訳にはいかない。

男同士の縦社会の厳しさ。それは、女性には分からないかもしれない。

また、大学時代にサークルに属していたか、部活に属していたかでその意味合いは大きく異なる。

特に自分たちが通っていたのは私立の中高一貫校で、圭吾先輩は中等部からの先輩だ(その上下関係の厳しさは、想像を絶するだろう)。

分かりました、とだけ返信を打ち、言われるがままに仕事の合間にひとみさんにLINEした。




当たり障りのない会話をとりあえず送ると、すぐに返信は返ってきた。




携帯を見つめながら、すぐに返信できない自分がいた。しかし圭吾先輩の顔が浮かび、とっさに失礼のないように返事を送る。



先輩の紹介してくれた女性だから、きちんと対応する男の心理


A2:先輩が紹介してくれた女性を、むげにはできない、遊べない


ひとみさんはクールそうな見た目と違い、LINEは結構質問を投げかけてくる、“ぐいぐい系”だった。




ここで会話は終わると思っていたが、ひとみさんからのLINEは続く。




彼女は、かなり積極的だ。少し怖気づく自分がいた。




仮に、先輩からの紹介でなければこの辺りで返信スピードも遅くなり、徐々に返信しなくなっていたかもしれない。

でも、紹介元は圭吾先輩だ。先輩の顔を潰すわけにもいかないし、むげに扱うことは絶対にできない。

本来ひとみさんのように綺麗で話もうまい女性ならば、軽くご飯に行くのもありだった。

しかし、ここも先輩の紹介である以上、遊び相手にする訳にもいかない。

でもとりあえず、もう一度くらいご飯に行ってみても良いのではないだろうか...そう思い、思い切って誘ってみた。




下手に手を出して“遊ばれた”なんて言われたら、一貫の終わりだ。本気で好きになれた時に、二人で会えばいい。

今は、様子を見ながら徐々に距離を縮め、先に見極める必要がある。だからこの一文も一緒に送った。




相変わらず、ひとみさんから来るLINEは丁寧に返している。

これが、違う人から紹介された相手だったら?

きっと気軽にご飯に誘っていた。そして面倒になったらLINEは返さなくなり、フェードアウトしていたかもしれない。

▶NEXT:7月8日土曜更新予定
LINEの答えあわせ【Q】:恋人とのLINEは心の拠りどころ。そう思っているのは男だけ?