半年の在籍ながらミランにはフィットした。モンテッラ監督も再加入を望む。(C)Getty Images

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 世界屈指の3トップ「MSN」の控えという立場を受け入れるか、それともブレイクの舞台となったセリエAに再挑戦か――。スペイン代表FWのジェラール・デウロフェウの去就に注目が集まっている。
 
 9歳からバルサのカンテラに入団したデウロフェウは、各年代のチームで天才ドリブラーとして名を馳せ、2011年10月に18歳でトップチームにデビュー。しかし、分厚い選手層に阻まれてBチーム暮らしが続き、13年夏から2シーズン連続でエバートンとセビージャにレンタルに出された。
 
 そして15年夏には、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールのMSNが君臨するチームに居場所はないと判断され、エバートンに売却される。それでもこの時バルサは、潜在能力を評価して買い戻しオプションを付けていた。
 
 15-16シーズンは公式戦33試合出場で4ゴール・13アシストと上々の成績を残す。しかし、翌16-17シーズンは新任のロナウド・クーマン監督に評価されず控えに甘んじ、17年1月にミランにレンタル放出された。
 
 すると、自身初のセリエAで覚醒する。破格のスピードとテクニックが融合したドリブルで守備の国イタリアのDFを翻弄し、4ゴール・3アシスト(17試合)という数字以上の大きなインパクトを残したのだ。
 
 バルサ時代から指摘されていた守備時の貢献度の低さ、球離れの悪さという弱点が完全に改善されたわけではないが、少なくとも個の打開力はワールドクラスであることを証明した。
 
 これを受けてバルサは、デウロフェウの買い戻しを検討。16-17シーズンもパコ・アルカセルやアルダ・トゥランが期待を裏切るなど、相変わらず「MSNの控え問題」に悩まされていたからだ。
 
 そしてバルサは、オプション行使の期日だった6月30日に買い戻しを発表。2019年6月までの契約を締結した。費用は非公表だが、1200万ユーロ(約14億4000万円)だと言われている。
 
 しかし、公式リリースは「今後数日でエバートンと選手に対する待遇が決定する」という短く曖昧な内容。デウロフェウの去就が判然としないものだった。
 
 そもそも買い戻しが取沙汰された5月あたりからデウロフェウは、バルサ復帰に否定的と伝えられてきた。MSNは言うまでもなく世界トップクラスのアタッカーであり、彼らを差し置いてレギュラー起用される可能性は極めて低い。しかも、3人とも休場はもちろん途中交代すらも嫌がるタイプであり、出場機会が限られるのは目に見えている。
 
 プレースタイル的にもメンタル的にも良くも悪くも“主役タイプ”のデウロフェウが、大人しくカンプ・ノウのベンチに座っている姿はたしかに想像しがたい。スペイン代表でもプレータイムが増えてきただけに、ロシア・ワールドカップ出場を勝ち取るためにも、バルサは理想的な環境とは言えないだろう。
 
 ポーランドでU-21欧州選手権に出場していた本人は、0-1でドイツに敗れた決勝後、同日のバルサの買い戻しオプション行使を受けてついて次のように語っている。
 
「バルサは僕の家だし、戻れるのは嬉しいよ。勝者になりたいし、ビッグクラブでプレーしたいと思っている。昔とは違うし、自信もあるよ。今年はバルサに留まりたいと思っている」
 
 しかし、現地メディアはこのコメントを額面通りには受け止めていない。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』や『スカイ・スポーツ』などのイタリアでは、バルサよりも出場機会を得やすいセリエAのビッグクラブに加入する可能性はまだ消えていないと報じられている。
 
 また、少なくないスペイン・メディアも、「バルサは転売するためにデウロフェウを買い戻した」と伝えている。
 
 実際、デウロフェウにはミラン、ユベントス、ローマなどが興味を抱いているという。とくにブレイクの舞台となったミランは、能力を高く評価するヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が再獲得を望んでいる。もっとも理想的な環境だろう。
 
 スカイ・スポーツによれば、デウロフェウの代理人は、週明けにバルサと話し合う見込み。ロベルト・フェルナンデスSD、そしてエルネスト・バルベルデ新監督の意向を確認すると見られる。
 
 はたして、デウロフェウの去就やいかに――。