障害者を支援するパートナーロボット「Human Support Robot」(HSR)を開発している自動車メーカーのトヨタが、重い障害を抱える人の家庭で実際に生活をサポートするテストプログラムを開始しました。

HSRがどんなロボットなのかは、以下のムービーを見ればよくわかります。

Human Support Robot I The Toyota Effect | Toyota - YouTube

アフガニスタンに展開するアメリカ軍兵士の写真。



ロミー・カマルゴさんは、アフガニスタンでの任務で頸椎に損傷を負ってしまいました。



重度の障害を抱えたカマルゴさんは、特殊な車いすで移動する毎日。



家族の助けなしには日常生活を送ることができません。



北米トヨタのロボット研究チームの「TOYOTA Partner Robot Group」。開発するのは障害者や高齢者などの日常生活をサポートするホームケアロボット。



「今日の最初のタスクは、玄関のドアをあけること」



HSRは目のような2つのレンズを搭載しています。



HSRが向かった先には、QRコードが貼り付けられたボタン。



HSRが手を伸ばしてボタンにタッチ。どうやら玄関のロックを解除するための専用ボタンを想定した、開錠トレーニングのようです。



トヨタは自動車メーカーですが、ヒトの移動に役立つことを研究しているとのこと。ロボット開発はあらゆる技術の集結する技術だと、HSRを開発するアリソン・サックソン氏は話します。



コンピューター上に表示されたHSRの動きの様子。



HSRの目線の先には……



QRコードが貼り付けられたウォーターボトル。



HSRはウォーターボトルをマジックハンドのような手でしっかりとつかむと……



ひょいっと持ち上げました。



そして、車いすの男性のもとに移動して……



口元に差し出しました。両手が使えない障害者を想定して、水を飲むのを手助けできるというわけです。



箱の中に収納されるHSR。



箱の扉が開くと、そこはカマルゴさんの自宅でした。



箱から出されるHSR。



カマルゴさんはおだやかな笑みでロボットを見ています。



この日から、HSRは重度の障害を抱えるカマルゴさんの日常生活をサポートするテストプログラムを行います。



ボタンや……



家庭用品にQRコードを貼り付けます。



ドアを開けるテスト。



ボタンを押すことに成功。



カマルゴさんの息子のアンドリアス君が帰宅して、HSRを興味津々で見ています。





「Water」という文字に、スタイラスでタッチするのは……



カマルゴさん。HSRに命令するテストが始まりました。



心配そうに見つめるカマルゴ夫人。



HSRはキッチンに向かい……



水の入ったウォーターボトルをつかみ取りました。



そして、カマルゴさんのもとにやってきて、ウォーターボトルを差し出します。



見事にカマルゴさんの命令に応えられました。



玄関のドア前で待つカマルゴさん。



HSRはドアを開けるためのボタンをプッシュ。



ドアロックの解除にも成功。



カマルゴさんも満足げ。



HSRはカマルゴさんの生活を見事にサポートするのに成功しました。



「家族全体の生活の質を高めることは、かけがえのないことです」と語るカマルゴ夫人。



「日常生活をサポートしてくれるHSRのようなロボットは、重い障害を持つ人などにとっては、とても大きな存在です」とカマルゴさんは語りました。



HSRは……



アンドリアス君とグータッチ。



トヨタは、「KIROBO mini」のような小型のロボットだけでなく、リハビリテーションをサポートするロボット「ウェルウォーク WW-1000」なども開発しており、自動運転カーや人工知能も含めて、総合的なロボット事業に注力しています。