〈ビッグ4〉のウィンブルドン連勝を果たして誰かが止められるのか? [ウィンブルドンPreview]

写真拡大

 ロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)、アンディ・マレー(イギリス)は、ここ14年というものウィンブルドンを支配し、この期間の大会のタイトルすべてを4人の間で分け合っている。

 この〈ビッグ4〉がテニス界をいかに支配しているか考慮すれば、これはそう驚きではない。それでもある時点で、オールイングランド・クラブにおける彼らの輝かしい活躍は、終わらなければならないのだ。

 ただ、ウィンブルドンが月曜日から始まろうとしている今、それが今年起こると考える者たちを見つけるのは難しい。

 しかしどこかに、いつの日かウィンブルドンや、他のグランドスラム・タイトルを獲得するであろう者はいる。

 ジョン・マッケンロー(アメリカ)は、ナダルやジョコビッチのような選手のキャリアの初期に、彼らがきっとブレイクするだろうと感じていたことを思い出す。しかしながら彼は、ごく最近、「今現在、(ブレイクするための)すべてを持っている人物は見当たらない。こいつだ、と感じるような選手は」と言っていた。

 マッケンローの弟パトリックは、もっともあり得そうな優勝者は、ふたたびこの4人組のひとりだろうということに同意し、さらにもう一歩踏み込んだ。

「2週目の日曜日、僕らはこれら4人のうちの2人について話していることになるんじゃないかな」

 ウィンブルドンの2週間の間、ESPNの解説者として兄ジョンに合流するパトリックは、こう言った。

 それでも、もし、この4人以外の誰かがタイトルを持ち帰るとしたら、と考えた場合の、候補者数人をここに挙げよう。

●スタン・ワウリンカ(スイス/32歳)

 彼がやりかねない理由:彼は他の3つのグランドスラム大会に1度ずつ優勝した。つまり彼は、7つ(1回戦から決勝まで合計7試合)のベスト・オブ・5セットをどのように潜り抜けるかを知っているということだ。彼はまた、試合の手綱を握り得る素晴らしい片手打ちバックハンドの持ち主でもある。

 彼ができないかもしれない理由:彼はこれまで一度もウィンブルドンで優勝したことがなく、準々決勝進出が2度あるが、成績は18勝12敗だ。彼のグラスコートでのフットワークには助けが必要だ。彼はより頻繁にネットをとったほうがいいだろう。

 優勝した場合、それが意味するところ:生涯グランドスラム(キャリアの間に4つの異なるグランドスラムで優勝すること)の達成。これはフェデラー、ジョコビッチ、ナダルを含む、たった8人の男たちだけが達成している偉業だ。

●アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/20歳)

 なぜ彼を真剣に考慮すべきか:彼は身長198cmと長身で、パワフルなショットとテニス面での賢さを備えた若者だ。5月のローマ(ATP1000)でジョコビッチを破り----ジョコビッチ以来、最年少のマスターズ大会優勝者となった。

 彼を真剣に候補とみなすのは早すぎる理由:彼はまだ20歳で、ここまで一度もグランドスラム大会で3回戦を超えたことがない。ジョン・マッケンローは、彼のことをこう表現する。「彼はきっと将来は複数のグランドスラム・タイトルを獲るだろうとは思う。彼は"その男"にかなり近いが...まだ少しひ弱だね」。

 優勝した場合、それが意味するところ:次世代のメンバーの真の到来。

●ミロシュ・ラオニッチ(カナダ/26歳)

 昨年の決勝進出がまぐれではない理由:マレーに敗れる前の彼の決勝への疾走は、グランドスラム大会における唯一の成功例ではない。彼は2014年ウィンブルドン準決勝、2016年全豪オープン準決勝にも進出しており、彼のサービスはテニス界でも最強とされるグループの一角だ。

 昨年の活躍がまぐれかもしれない理由:昨年の準決勝でのフェデラーに対する勝利は、フェデラーの手術した左膝の不具合のせいで、やや価値を落としている。もうひとつの懸念の種は、ラオニッチがここ数年、さらなる前進の一歩を踏み出したいとする意欲を、あまり見せていないことだ。

 優勝した場合、それが意味するところ:それは彼にとって、またカナダ人にとって初のグランドスラム・タイトルとなるが、より重要なのは、それがラオニッチに開花する準備ができ、彼が長いこと見せていた"有望さ"が正体を現す信号かもしれない、ということだ。

●ニック・キリオス(オーストラリア/22歳)

 彼に注目すべき理由:彼はビッグサーブと強烈なフォアハンド、トリック・ショット、身体能力の高さなどにあふれた、スタイリッシュで壮観なテニスの持ち主だ。彼が本気になったときには、過去のウィンブルドンですでにやって見せた通り、ナダルやフェデラーなど、誰をも倒す能力を持っている。

 目をそらしてもいい理由:彼はファンたちに歯がゆい思いをさせつつ、試合の過程で急に脱線する可能性がある。

 優勝した場合、それが意味するところ:輝かしい新しい顔、大胆なキャラクター、生意気な若きチャンピオン----これらすべてを彼は兼ね備えている。彼は若く、カリスマ性を持つ。もし、精神姿勢を整え、持てる能力をフルに発揮することができれば、彼がテニス界を支配することは可能だ。

●マリン・チリッチ(クロアチア/28歳)

 彼がこの議題に加わるべき理由:ワウリンカ同様、チリッチは、グランドスラム大会で優勝(2014年全米)するには何が必要かを知っている。ワウリンカとは反対に、彼はグラスコートに適したプレースタイルを擁する。

 彼がもしかすると議題に含まれるべきではない理由:彼はここ3年、準々決勝で敗れており、これまで一度もウィンブルドンで準々決勝より先に進んだことがない。

 優勝した場合、それが意味するところ:彼にとって2度目のグランドスラム・タイトルとなる。一度のヒットで消える男ではなかった、という証明ができる。(APテニスライター◎ハワード・フェンドリック)(翻訳◎テニスマガジン)

※写真は練習の合間にチームスタッフとジョークを交わすスタン・ワウリンカ(スイス)(写真◎Getty Images/6月16日撮影)
Photo: LONDON, ENGLAND - JUNE 16: Stanislas Wawrinka of Switzerland and his coaches share a joke during a practice session ahead of the Aegon Championships at Queens Club on June 16, 2017 in London, England. (Photo by James Chance/Getty Images)