6月の晦日(30日)に、全国の神社で行なわれる夏越の祓(なごしのはらえ)。この半年間で溜まってしまった罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願する行事です。

神職の方々の後ろに続いて大きな茅の輪をくぐり、下半期の幸せを願います。

いきなり個人的な話で恐縮なんですが、記者は今本当にお金がありません。今年3月から仕事量は増えたのに収入が減り、生活は苦しくなるばかり。そのストレスで酒の量が増え、さらに家計を圧迫するという悪循環に陥っています。

そういうわけでして、夏越の祓でどうにかして下半期の運気を上げたい。なんなら金運だけでもいい。そんな切実な願いを抱え、赤坂の氷川神社にやってまいりました。

なんと、赤坂氷川神社では、夏越の祓にちなんだ「夏越ごはん」を200食限定で無料配布してくれるのだとか。運気アップしてくれる上に、ご飯まで食べさせてくれるなんて、さすが神様。太っ腹です。

この日は、財布の中に34円しかなかったので(本当)、夕飯代が浮いて助かりました。
さっそく、夏越の祓いを体験してみましょう。

茅の輪をくぐって、今年の穢れとおさらば!

17時。太鼓が鳴り響き、ご祈祷が始まりました。すでに境内は溢れんばかりの人だかりです。年配の方ばかりなのかと思いきや、若い女性が多い!みなさん、御朱印ガールなのでしょうか。ちなみに、神社によっては、夏越の祓限定の御朱印もあるようです。

厳粛な雰囲気の中、神職さんが大祓詞を読み上げます。それに対し、他の神職さんたちが「オ〜」と合いの手(称唯)を入れるコール&レスポンスあり。

ご祈祷が終わると、いよいよ「茅の輪くぐり」が始まります。

茅の輪くぐりとは、茅(ちがや)という植物でできた大きな輪を、左回り→右回り→左回りに3回くぐり抜ける神事のこと。

この茅の輪、もともとはスサノオノミコトが、宿を貸してくれた蘇民将来(そみんしょうらい)という男に「茅で作った輪を腰に着けておくと、いいことあるよ」と教えたのがきっかけと言われています。茅の輪のおかげで、悪疫が流行った時も、蘇民将来の家族は健康に過ごすことができたそうです。

この半年間で全身にこびりついた穢れを落としてきます!

神職さんたちに続き、参拝客もぐるりと大きな円を描くように茅の輪をくぐります。この日の参拝客は200名以上。全員がくぐり終わるまでに30分かかります。しかし、なんてったって、ここはパワースポット。ゆっくり歩きながら御神木のいちょうの木を眺めたり、他の参拝客の方と世間話したりと、癒しの時間を過ごすことができました。たぶんマイナスイオンが出まくってるので、疲れてる方にこそ是非おすすめしたいです。

茅の輪くぐりで身も心も清めたら、次は夏越ごはん。腹ごしらえして下半期に備えなくては。

 栄養満点!これが噂の夏越ごはん

揚げたてのかきあげを乗せた夏越ごはん。いい匂い!

こちらが、社団法人米穀機構さんが提唱し話題となっている夏越ごはん。雑穀米の上に茅の輪をイメージした丸いかき揚げが乗っています。

茅の輪にちなんだ緑(ゴーヤやいんげんなど)と、邪気払いするといわれる赤(パプリカ、えび、にんじんなど)が特徴のかき揚げ。旬の夏野菜を使っているので栄養満点です。

さらに、前出の蘇民将来がスサノオノミコトを粟飯でもてなしたという伝承にならい、粟の入った雑穀米を使用。おろしだれには、百邪をふせぐといわれる生姜が入っています。

これでもかってくらい縁起がいい&体にいいものが詰め込んであるので、運気が上がらないはずがありません。

夏越ごはんで体の中から邪気払い。それでは、いただきます!

香ばしいかき揚げを、夏らしくさっぱりした味付けでいただきます。これは美味しい!雑穀米の歯ごたえもいいアクセントに。

近くで食べていた可愛いギャル2人組にお話を聞いてみると、「夏越の祓は知らなかったけど、テレビで紹介されていたので、ご飯目当てで来ました(笑)」とのことでした。

子育て奮闘中という若いママさんも、ニュース番組で夏越の祓を知ったそうです。「今年前半は、もう体力がやばくて(笑)。これで残り半年も頑張れそうかな」

夏越ごはんの感想を聞いてみると、「ゴーヤに苦みでデトックスできそう!」と、笑顔でした。苦い=デトックスという前向きな発想が素晴らしいです。

夏越ごはんは、お店によっては7月中旬頃まで食べられるそうなので、検索してみてくださいね。お料理上手な方は、ご自宅で作ってみてもいいかも。

いきなり出会いが!?イケメン禰宜あらわる

茅の輪くぐりを済ませ、夏越ごはんも食べたので、もはや今年の私は無敵です。

金運だけでなく、仕事運も恋愛運も急上昇しているのでは……なんて調子に乗っていたその時、イケメン権禰宜さんを発見!

さっそく一緒に写真を撮らせていただきました。いきなり出会いがあった!

デレデレな私と、怯えきった表情の権禰宜さん。

権禰宜さんによると、赤坂氷川神社に祀られてているスサノオノミコトとクシイナダヒメノミコト、オオナムヂノミコトは、良縁の神様として有名なんだとか。

スサノオノミコトが、生贄にされそうになっていたクシイナダヒメノミコトを櫛の姿に変え、それを頭につけてヤマタノオロチを退治し、後に2人は結婚したという伝承が残っており、良縁の御神徳があるとされています。また、オオナムヂノミコトはスサノオの子どもで、縁結びで知られる出雲大社の御祭神オオクニヌシノミコトの別名です。

縁を結ぶと言われている3柱の神様が集まっているのだから、すごい御利益がありそう。赤坂氷川神社では、毎月縁結び参りが行なわれているそうなので、婚活中の女子は、是非お参りしてみましょう。

そして、来年の6月30日こそ、夏越の祓と夏越ごはんをセットで体感してみてください。茅の輪をくぐって、縁起のいいかき揚げを食べて、運気アップ間違いなし!

夏越ごはんで暑い夏を乗り切りましょう。

夏越ごはんhttp://www.komenet.jp/nagoshigohan/

赤坂氷川神社
住所:東京都港区赤坂6-10-12
https://www.akasakahikawa.or.jp/