9年前に他界したポール・ニューマンが新作映画の声優になれたワケ

写真拡大

 7月15日に日本公開となるディズニー/ピクサーの最新アニメーション映画「カーズ/クロスロード」。06年に第1作が公開された人気作品「カーズ」シリーズの3作目だ。

 この中で、主人公の天才レーサー、マックイーンの師匠である伝説のレーサー、ドック・ハドソンの声を、第1作に続きポール・ニューマンが担当している。

「映画ファンなら知っていると思いますが、ポール・ニューマンは08年に83歳で他界しています。しかし第1作の声を収録した時、セリフ以外でも彼がマイクに向かってしゃべっていたことが録音されており、今回はその中から物語に合う部分を抜き出し、彼の遺族の了解も得て、声の出演が実現したのだとか。そういう意味では、これがポール・ニューマンの最後の映画です」(映画ライター)

 動く画に合わせて声を録音するのがアフレコ。事前に声を録音し、それに合わせて画を描いていく方法をプレスコという。今作は声の録音から画の完成まで、最も時間をかけたプレスコ作品でもある。

 日本でも、亡くなった人の声が時を経て世に出たアニメーションがある。それは高畑勲監督の「かぐや姫の物語」で、かぐや姫を育てる翁の声を地井武男が担当した。映画の公開は13年だったが、地井武男は前年の6月に70歳で亡くなっている。

「声を録音したのは11年の夏で、そこからプレスコ方式で画が作られたため、彼の死後に公開されることになりました。こういうタイムラグが発生するのはアニメーションならではのことですが、名優は亡くなってもなお、声を遺すことができるのです」(前出・映画ライター)

 声の遺作。そこに注目すると、「カーズ/クロスロード」の面白さがさらに増すに違いない。