キム・ボギョンの背番号は15に決まった。写真:鈴木潤

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 期待の新戦力、キム・ボギョンが日立柏サッカー場で加入会見を行なった。チームの目標を「勝点60」から「優勝」へ上方修正した柏にとって、タイトル獲得のキーマンとなりうる存在である。
 
「柏が熱烈に自分を必要としてくれた。チームのビジョン、今のチームの順位、チームの未来を考えた時に、自分がこの決断をしても後悔をしないだろうと思い、移籍を決めた」
  
 会見の席で、移籍の理由をそう話すキム・ボギョンは、続けて自身のプレーについて質問が飛ぶと「攻撃的なポジションで使われることが多いので、ゴールに絡むプレーを見てほしい」と意気込みを口にしている。
 
 現在、柏の攻撃陣はクリスティアーノをはじめ、伊東純也、中川寛斗、武富孝介がスタメンに名を連ね、サブには大津祐樹、ディエゴ・オリヴェイラ、ハモン・ロペスと豊富な陣容を誇っている。
 
 これだけの選手層を揃えながらも、キム・ボギョン獲得に乗り出した最大の要因は、間違いなく攻撃力の増幅を見据えてのものだ。実際に、会見後に記者の囲み取材に応じた渡辺光輝強化部課長は「今は首位にいるが、今後は攻撃の部分で相手も対策してくると思う。さらにそこを崩していけるようなことを考え、中盤のエリアでボールを受けて、決定的な仕事をすることを期待している」と獲得の理由を述べていた。
 
 4-2-3-1をメインに戦う柏にあって、おそらくキム・ボギョンは2列目の“3”のいずれかのポジションを務めることになるだろう。柏は自分たちがボールを握る攻撃的なスタイルを志向しているが、直近の10試合で9勝1分と好調を収めている要因は、相手ボールになった瞬間にハイプレスを仕掛けてボールを奪い返しにいく守備意識が浸透しているからである。

 攻撃的なサッカーをするからこそ、即座にボールを奪い返しにいく。中川、武富、伊東の攻撃陣によるチェイシング、プレスバックは、紛れもなく好調を支えるチームの生命線だ。
 
 したがって、下平隆宏監督は「直接的に攻撃力アップにつながるプレーを期待している」とキム・ボギョンの攻撃力を期待する一方、「チームのスタイルで言えば、得点力だけでは試合には出られない。うちでは守備力も求めるので、そういうタスクをこなせるようになってから」と守備の必要性を説いた。
 もちろん、そのチームのスタイルはキム・ボギョンには伝わり、彼も十分理解を示す。柏に到着した29日、早速監督、強化部と話し合い、切り替えやハイプレスなど守備面の要求を受けて、「全北現代でも前線から奪いにいくサッカーをやっていたので問題ないです」とキム・ボギョンは答えた。
 
 柏はアジア・チャンピオンズリーグで何度も全北現代と対戦しているが、確かに彼らの嵐のようなプレッシャーは脅威だった。あの高強度のプレスとインテンシティの高い全北現代の中で常時スタメンに名を連ね、同時にJリーグでも活躍した実績を持つキム・ボギョンは、優勝を目指す柏にとって、チーム力を引き上げる“ラストピース”としては、これ以上ない人選かもしれない。
 
 新たに加わったキム・ボギョンがどういうプレーで勝利に貢献してくれるのか、今からその活躍が非常に楽しみである。
 
取材・文:鈴木潤(フリージャーナリスト)