<大統領当選の頃のトランプ熱はすっかり冷めて、代わりにアメリカがダメになった理由の分析が盛んな今日この頃>

アメリカのテレビは今もロシアの話題でもちきりだが、ロシア・メディアのアメリカ政治の扱いは、数カ月前の盛り上がりからは程遠い。

ドナルド・トランプ米大統領の一挙手一投足が連日のように報じられたのは昔の話。トランプが米大統領選に勝利した当初こそ歓迎ムードが高まったものの、今は、アメリカ的なものはすべて両国関係の行き詰まりの元凶にされている。

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ロシアの政治家が米政府の発表に怒って反論することもある。「マイク・ポンペオ米CIA長官のロシア批判は、フェイクニュースでありロシア恐怖症だ。アメリカ人を怖がらせようとしているのだ」と、ロシア連邦下院のイリナ・ヤロバヤ副議長は月曜に言った。

問題になった米MSNBCとのインタビューで、ポンペオはこう言った。「アメリカの民主主義を転覆させようというロシアの試みはもう数十年来のものだ。そう意味では(ロシアによる米大統領選介入は)新しくもないが、その気になればロシアにはアメリカを止める力がある、と脅す意図があるのは間違いない」

アメリカが仕掛けたロシア疑惑

ロシアの反応のもう一つのパターンは、アメリカを世界の変化についていけずにもがく年を取った大国として描き出すことだ。トランプもしばしば、アメリカを世界の中心とみる国内の勢力をもてあます大統領として紹介される。

「アメリカ政治では、アメリカの国益についてせめぎ合う2つのアプローチがある。現実主義者は、アメリカは世界に手を広げ過
ぎたと考えている。その代表格がトランプだ」と、ロシア連邦院(上院)のアレクセイ・プシュコフ情報委員会議長は言った。「そしてもう一方には、アメリカは世界唯一の支配者だと考える人々がいる」

後者は、ロシアもトランプも両方攻撃する、とプシュコフは続けた。その彼らが、トランプがロシアの味方に見えるような政治的な罠を仕掛けた。それが今のロシア疑惑だという。

「トランプがロシアとの対立を避けようとすればロシアとつながっていることになり、最後はロシアの手先ということになる。それをアメリカのメディアが繰り返し報じることで、疑いは確信に変わっていく」と、プシュコフはロシアのトーク番組「サンデー・イブニング」で語った。

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番組司会のウラジーミル・ソロビエフとプシュコフが議論していたテーマは、「オバマ政権はなぜロシアにサイバー爆弾を仕掛けたのか?」だ。

マクシム・トルボビューボフ(米ウッドロー・ウィルソン・センター/ケナン研究所上級研究員)