みなさんは『けものフレンズ』というアニメをご存知でしょうか。今年の1月に放送をスタートし、高い人気を得ています。アニメが最終回を迎えてからもコラボ企画や舞台化など、その勢いは留まることを知りません。ここではアニメ情報誌『アニメディア』の編集長・馬渕悠さんに、本作と“聖地”動物園との関わりを紹介してもらいました。

 

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JTB総合研究所の調査によると、最近は国内、海外旅行ともに「ひとり旅」が増えているそうです。この事実に関しては、いろいろな要因が考えられますが、ビジネスやプライベートに関係なく、昔以上にスマートフォンやSNSなど、人と人とのつながりに縛られる社会であるからこそ、トラベルは現代人に残された数少ない「ひとり」になれる時間なのかもしれません。今回は「ひとり」でもイ拭爾里掘囚ゥ▲縫瓩寮暫呂鮠匆陲靴泙后

 

2017年1月に放送スタートし、瞬く間に日本のアニメファンの心をつかんでいったアニメ『けものフレンズ』。動物を擬人化したキャラクター「フレンズ」たちが活躍する姿を描いた本作は、放送終了後も人気は衰えることを知らず、有名アーティストのお墨付きを経て、本作のキャラソンユニットがメジャー音楽番組に出演したり、実際の動物公園とのコラボレーション企画が展開されたりと、現在でも大きな盛り上がりを見せています。

本作のヒットで、さまざまな動物が新たに注目されました。特に、メインキャラクターであるサーバルちゃん(サーバルキャット)は本作を象徴する存在であり、男女どちらのアニメファンにも親しまれる人気キャラとなりました。このサーバルキャットは限られた動物園でしか見られない動物ですが、関西国際空港からそれほど遠くないところには、アドベンチャーワールド(和歌山)、神戸どうぶつ王国(兵庫)、しろとり動物園(香川)、とくしま動物園(徳島)と、サーバルキャットが見られる施設が4つもあります。さらに足を伸ばす時間があるようであれば、四国にはすべての県でサーバルキャットが見られる施設があり、関西地方とその周辺は、いわばゥ機璽丱襪舛磴鵑料磧匹噺世┐襪里任呂覆い任靴腓Δ。

 

アニメと動物の意外な共通項

日本の動物園のよいところは、とにかく入園料がリーズナブルなところ。日本の大手テーマパークは入園料が5,000円を超えることもざらですが、先述した4つの施設のうち3つは2000円以内で入園でき、1時間でさらっと回ることもできれば、1日中まったりじっくり動物を見て回ることもでき、非常にコストパフォーマンスが高く、自由な空間です。そして何より、ひとりでも楽しめるところが〇。某有名芸能人が「パンダなら、ひとりで30分ぐらい眺めていられる」と言っていたように、都会の喧噪を忘れることができます。

 

日本の動物園の歴史は意外と浅く、江戸時代末期に福沢諭吉が上梓した『西洋事情』にて「動物園」という表現が初めて使われ(諸説あり)、1882年に恩賜上野動物園の前身となる施設が作られました。戦後しばらくして動物園は教育施設としての意味合いが強くなり、子どもたちが行く、もしくは家族で行くものだということをイメージさせるキャッチコピーが生まれました。ただ、近年の少子化、晩婚化の影響などで入園者数が低迷したことを受けて、現在の動物園は子どもだけでなく、さまざまな世代の人が多様な楽しみ方ができる空間へと変化してきているように思います。この流れはゴ靄榲に子どもたちのもの”であった日本のアニメーションが、万人に親しまれるジャンルへと進化しようとしているのと、どこか似ています。アニメと動物の意外な共通項が、そこにはあったのです。

 

動物は贅沢な時間を旅人に提供してくれる「フレンズ」

バニラエアを利用している旅人のなかにも、もちろん「おひとりさま」はいることでしょう。筆者も例外ではなく、会社がある五反田で早朝まで仕事をして、JR大崎駅西口から出ている成田空港への直通バスに飛び乗ってバニラエアを利用。目的地に着いてホテルやスーパー銭湯で一休みしてから観光開始……、みたいなことがよくあります。そんな、ある意味、傍若無人なタイムライン以上にマイペースに付き合ってくれるのが動物たちです。訪れてみたら爐昼寝中イ埜られないなんてこともあるけど、そんな時間に縛られていない存在と触れ合えるからこそ、自分たちも落ち着いたひと時を過ごすことができる。「ひとり旅」であることを肯定も否定もせず許容してくれる動物は、リーズナブルな入園料に見合わない爐垢粥爾レ埖瑤併間を旅人に提供してくれる「フレンズ」なのです。

 

ただ、「ひとり旅」だったとしても、もし近くにイばんちゃん”みたいな迷子の子どもがいたら、サーバルちゃんみたいに優しく話しかけたり、恥ずかしい人は園の人に伝達するなどして助けてあげましょう。それも動物園好きの大人の「フレンズ」の務めです♪

 

※かばんちゃん……アニメ版『けものフレンズ』の主人公。自分の名前などの記憶がなく、さばんなちほーをあてもなく歩いていたところをサーバルちゃんに発見される

 

文/馬渕悠…アニメ情報誌『アニメディア』編集長

©KFPA

※本記事は航空会社・バニラエアの機内誌「バニラプレス 2017年7-10月号」に掲載された内容の完全版となります