完全自動運転で24時間パトロールする「自動運転パトカー」を、アラブ首長国連邦のドバイ警察が採用しました。サイズは人間の半分ほどという小型の自動運転カーですが、搭載している各種センサーで人間を検知して不審者を見つけ出したり、障害物や対向車などを検知して衝突を回避したりが可能。さらに車が走れない場所に不審者が逃げても、格納しているドローンを飛ばして追跡するなどのハイテクセキュリティにより、ドバイの街の安全を見守ることになります。

Dubai Police to deploy robotic patrols | GulfNews.com

http://gulfnews.com/news/uae/emergencies/dubai-police-to-deploy-robotic-patrols-1.2049873

ドバイ警察に採用された「OTSAW Robotics O-R3」が自走している様子は、以下のムービーから見ることができます。

OTSAW Robotics O-R3. World's first ground-aerial outdoor security robot - YouTube

海岸沿いを小さな自動車が走っており、その後ろをドローンが追いかけています。



「Robotics O-R3」のルーフには、レーザースキャナー・サーマルカメラ・HDカメラ・Lidarをまとめたセンサーキャップが搭載されています。



下側はこんな感じ。人間が乗ることはできないので、ドアは設けられていません。



設定したルートを自動運転で走行することができ……



動く障害物を回避する機能も備えています。



高度な異常検出能力により、周囲で法律違反を行っている人を発見することができます。



違反者を追跡して行くと、フェンスの向こう側へ逃げられてしまいました。



するとRobotics O-R3の後部からトレイが飛び出して……



ドローンが飛び立ちました。



引き続きドローンのカメラで違反者を追跡することが可能です。



各種センサーで気温・湿度・CO2濃度を検出



人間・自動車・道路標識などを認識するため、通行人や対向車も安心して付近を走ることができそう。





ルンバのようにバッテリー残量が少なくなると帰還するセルフチャージ機能も備えているので、自動で24時間パトロールを行います。



Robotics O-R3で撮影している映像は常に分析され、異常があればリアルタイムアラート機能が働きます。Robotics O-R3やドローンが検知した情報に、警察官は指紋認証でアクセスできるとのこと。





Robotics O-R3、およびドローンのカメラの映像は、ドバイ警察のコントロールルームで確認可能。



インターフェースはこんな感じ



ドバイ警察は警察活動に役立つ最新技術を積極的に採用することで知られており、Robotics O-R3は2017年末までにドバイに配備される予定。世界で初めて「ロボットが警備する街」になるわけです。また、ドバイでは「空飛ぶタクシー」の試験が行われているのですが、2018年2月11日〜13日に開催される「World Government Summit」で実際に使用される見込みです。

自動操縦の1人乗り「ドローンタクシー」の試験がドバイで開始、2017年夏には導入予定 - GIGAZINE