米アリゾナ州ウィンズロー近郊にあるクレーター。上空から撮影(2017年1月30日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】地球はその45億年の歴史を通して繰り返し隕石(いんせき)の衝突に見舞われてきたが、それらは、海に落下して被害を及ぼさなかったものから、生物種の消滅を引き起こしたものまでさまざまだ。

 大規模な隕石衝突が次にいつ起きるかは、誰にも分からない。だが隕石の到来を予測し、それを「迎撃」するための対策が求められているのは確かだ。

 6月30日は「国際小惑星の日(アステロイドデー、International Asteroid Day)」。この数日前、ドイツ・ダルムシュタット(Darmstadt)にある欧州宇宙運用センター(ESOC)のロルフ・デンシング(Rolf Densing)所長は、AFPの取材に応じ、「遅かれ早かれ、地球が小規模もしくは大規模な衝突に見舞われるのは避けられない」との考えを語った。

 同所長は、私たちが生きている間には起こらないかもしれないが、「地球に隕石が衝突して壊滅的な被害が生じる危険性は非常に高い」と述べ、地球に向けて飛来する天体から「自分たちの身を守る準備はまだできていない。積極的な惑星防御策は何も講じられていない」ことを指摘した。

 現時点では、打てる手はほぼないというのだ。

 これまでは、サイエンスフィクションの範疇に追いやられていたが、その対策としては、地球に向かってくる小惑星に対して、核爆弾で破壊する、レーザーを使って蒸発させる、「スペーストラクター」で引っ張ったり、はじき出したりして進路をそらす、といった方法が挙げられるだろう。

 しかし、こうした対処法を考える前に、まずは脅威を発見できるようにすることが先決だ。

■人類終焉の日

 6500万年前に恐竜を絶滅に追い込んだ、直径10キロに及ぶ最大級の隕石が地球に衝突する確率は1億年に1回程度とされる。次にこの巨大衝突が起きたら、人類とその文明は終焉を迎えることになるだろう。

 だが、それはいつ起きるのだろうか。

 専門家らはすでに、最大級の小惑星の90%以上をリストアップしており、その中には差し迫った脅威となるものは一つもないと断定している。

■より大きな懸念材料

 最大級の隕石よりもさらに懸念されているのは、数百万個存在するとされる直径15〜140メートル級の小惑星の所在だ。

 1908年6月30日、このクラスに分類される直径40メートル級の隕石が、ロシア・シベリア(Siberia)のツングースカ(Tunguska)上空で爆発し、近代史上で最大規模の天体衝突を引き起こした。この時の爆風によって周囲2000平方キロメートルにわたり樹木約8000万本がなぎ倒された。アステロイドデーはこの日に合わせて定められた。

 ツングースカ規模の衝突事象が起きる頻度は、約300年に1回と考えられている。

 欧州宇宙機関(ESA)宇宙状況監視(SSA)計画のプログラムマネージャーを務めるニコラス・ボブリンスキー(Nicolas Bobrinsky)氏は「このタイプの小惑星が、仏パリ(Paris)やドイツなどの人口集中度が非常に高い地域に落下したらどうなるだろうか。まさしく大惨事となるだろう」と話す。

■接近天体を監視

 欧州は、人々に警告を発するための天体望遠鏡ネットワークの構築計画を進めている。

 約2年後に完成予定のこのネットワークは「全天を系統的に走査観測し、地球に接近中のあらゆる天体を検出する。天体の検出から衝突までの警戒時間は約2〜3週間になると考えられる」と、ボブリスキー氏は説明した。

 これで少なくとも、住民を避難させたり、衝撃波に対する警告を発令したりする時間は稼げるようになるだろう。

 国際アステロイドデーは、「人類が直面する最大の課題」への一般の意識向上を図ることを目的として、国連(UN)によって定められた。
【翻訳編集】AFPBB News