水上紀行氏

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テクニカル分析やファンダメンタルズ分析だけでは読み切れないのが為替相場。そんなときに役立つ第3の分析「値動き分析」を、伝説の為替ディーラーが指南。一度マスターすれば、考えなくても感じることができるようになる!?

◆チャートからポジションのバランスを判断するプロの技!

「『値動き分析』とは、買い勢力と売り勢力の力関係をチャートから読み取る分析方法です」とは、先日『超入門 24時間まかせて稼ぐFX戦略投資』を上梓した伝説の為替ディーラー・水上紀行氏だ。

「為替ディーラーは、さまざまな手法でポジションのバランスを察知して、利益を稼ぎ出そうとしています。しかし、個人投資家がポジションの状況を把握するのは簡単ではありません。そこでチャートの形からポジションの状況を判断するのが値動き分析です」

 とはいえ、この値動き分析は数値化できない。感覚を頭にすりこんで反射神経で判断する手法だ。そのため、マスターするには多少の時間がかかるが、一度覚えてしまえば役立つという。

「もちろん全部をマスターする必要はありません。いくつか代表的なものだけで十分。例えば相場が急騰・急落するタイミングです。相場が急騰した場合、多くの人は『新たに買う人が殺到して急騰した』と考えがちですが、それは間違い。売りポジションを持っていたマーケット参加者が、相場上昇による損失を最小限に抑えるために一気に買い戻しに走った、つまり損切りした。そんな背景でチャートが上昇するケースが常です」

 一般的にマーケット参加者は、規模の大小にかかわらず、新規で買うときは少しでも持ち値をよくしようと、ていねいに買う。しかしロスカットの場合、そんなことを言っている時間はなく、一気にポジションを投げ出すケースも。そういった急騰・急落があることも覚えておきたい。

「しかもロスカットが入ると、一気にポジションが解消されるため、ポジションに偏りがなくなり、しばらくは上げも下げも限定された状況が続きます。こうした状況は、テクニカル分析でもファンダメンタルズ分析でも正しい判断はできません。値動き分析を知らなければ、予測を立てることができないのです」

◆3本以上の長いヒゲは相場転換のポイント!?

 ほかにも代表的な値動き分析例はあるのか?

「ジリ高の場合には、徐々に相場が上がっていき、最後の部分で一段高になり終了します。ジリ安の場合は逆に最後の部分で一段安になり終了します。また、これに似た動きをする「買い上がり」がたまにありますが、この場合は最後に一段高になることなく下落するので、最後までよく見極めましょう。あとはチャートの長いヒゲ。これは相場の転換点を示す兆候として知られています。例えば下ヒゲが長かった場合、一時的には大きく下がったものの、押し戻されて、価格が戻ったことを示しており、下げに対する抵抗が強いことを意味する。結果、長いヒゲが出た場合には、それと反対の方向に相場が動きやすいということになり、この長いヒゲが高値圏や安値圏で出ている場合は、相場が転換する可能性がより強くなります」

 とはいえ長いヒゲ1本で、相場が転換するとは言い切れない。そんなときにも値動き分析は役に立つ。

「値動き分析的に長いヒゲを見ると、『3本以上の長いヒゲは大量の売り買いが交錯している』と考えられます。長いヒゲ1本で状況を判断するのは難しいのですが、3本以上出ると、強い相場の転換サインの可能性が高いでしょう」

 こうした値動き分析は、基本的にポジションのバランスを読み取っているわけだが、値動き分析を使わずに読み取る方法もある。

「個人投資家でも利用できるのは、シカゴマーカンタイル取引所(CME)が公表している『IMM通貨先物ポジション』です。毎週火曜日のポジション状況を金曜日に公表しています。発表までに時間差があるので短期売買には生かせませんが、大局的にポジションのバランスを把握しておくには役立ちます。買いポジションに偏れば、相場が下落する可能性がありますし、売りポジションに偏れば相場上昇の可能性が高くなります」