体調を崩す「かぜ」のシーズンといえば、寒くて乾燥しやすい秋から冬がピークというイメージです。実際冬シーズンに猛威を振るう「インフルエンザ」は、空気の乾燥によって気道粘膜の防御機能が低下することも、感染の原因と言われています(※)。そう考えると、湿度の高い夏シーズンは、かぜなどのウイルスに感染する可能性が低いような気がします。

※厚生労働省「インフルエンザQ&A」より

夏特有!かぜの初期症状「のどの痛み」を感じた経験がある人は94%!

確かにこのシーズン、インフルエンザが流行することはまずありません。しかし実際のところ、湿度が高い夏でも“夏かぜ”をひいたことがある人は多いのではないでしょうか?

女性にとってはエアコンがききすぎる夏のオフィスも、体調を崩す一因です

「大鵬薬品工業株式会社」がビジネスパーソンを対象に行なった調査によると、夏場に「のどの痛み」を感じたことがある人は94%。さらにこじらせて「夏かぜ」をひいたという人は73%もいるそうです。夏のかぜは初期症状として「のどの痛み」が出てくるのが特徴。それは高温多湿でも猛威をふるうようです。

夏にのどが痛くなるのはてっきり「エアコンによる乾燥」かと思っている人も多いかもしれませんが、そうとも限らないようです

なぜ、夏のかぜは乾燥していないのに感染力が低下しないのでしょうか?大鵬薬品工業の調査レポートによると「夏のかぜ」は、コクサッキーウイルスやエコーウイルス、アデノウイルスなど高温多湿を好むウイルスが原因となることが多いといいます。これらのウイルスにより「のどの腫れ」「強い発熱」が起こり、症状はその後、鼻やのどから気管支へ進行するのだそう。

一方「冬のかぜ」は、ライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルスなど低温乾燥を好むウイルスが原因となることが多いといいます。これらのウイルスは、「寒気」「ふるえ」「節々の痛み」「首筋のこわばり」などの症状が特徴だそうです。つまり夏と冬のかぜは、まったく種類が違うといえます。

夏かぜは冬のかぜより長引きやすく、高熱になりやすい!?

冬のかぜとはまったく違う夏のかぜ。大鵬薬品工業では「夏のかぜ」に関する10問のクイズを作成。夏かぜ経験者に回答してもらい、各問題で正解率も算出しています。そのクイズはこちらです(監修:漢方内科医・桑島靖子先生)

【原因編】

<クイズ> 1:「オフィスの乾燥」が「夏のかぜ」を助長する?

<解答>  × 「夏のかぜ」の原因となるウイルスは「乾燥」より「多湿」を好むため

<正答率> 77%

 

<クイズ> 2:「夏のかぜ」の初期症状は「寒気」?

<解答>    × 「のどの痛み」である

<正答率> 56%

 

<クイズ> 3:「夏のかぜ」の原因は「冬のかぜ」と同じ?

<解答>    × 原因となるウイルスが異なる

<正答率> 67%

 

【症状編】

<クイズ> 4:症状が長引きやすいのは「冬のかぜ」?

<解答>    × 「夏のかぜ」のほうが長引きやすい

<正答率> 64%

 

<クイズ> 5:「夏のかぜ」の特徴は「頭痛」?

<解答>    × 特徴は「のどの痛み」

<正答率> 73%

 

<クイズ> 6:「夏のかぜ」は「冬のかぜ」より<高熱>に悩まされやすい?

<解答>    ○

<正答率> 28%

 

<クイズ> 7:「夏のかぜ」はウイルス感染が原因?

<解答>   ○

<正答率> 38%

 

【対策編】

<クイズ> 8:「夏のかぜ」に効きやすいのは「葛根湯」?

<解答>  × 葛根湯は「冬のかぜ」に効きやすい

<正答率> 64%

 

<クイズ> 9:「夏のかぜ」と「冬のかぜ」は同じ対策でよい?

<解答>    × 症状が異なるので対策が異なる

<正答率> 64%

 

<クイズ> 10:「夏のかぜ」には「汗を出すこと」が有効?

<解答>    × 汗を出すことが有効なのは「冬のかぜ」

<正答率> 48%

10問クイズはいかがでしたでしょうか?「冬より夏のかぜのほうが長引きやすい」「夏のかぜは冬のかぜより高熱に悩まされやすい」「夏のかぜは汗を出すことが有効ではない」など、意外と知らない厄介な夏かぜの新事実が多かったように感じます。

となると、大切なのは初期症状に多い「のどの痛み」がでたら早めに対応して、こじらせないことが重要。くれぐれも無理はしないよう、気を付けてくださいね。

【調査概要】
調査媒体:大鵬薬品工業株式会社
調査名:「ビジネスシーンと夏のかぜ」に関する意識・実態調査
調査期間:2017年5月18日(木)〜5月19日(金)
調査対象:事前調査で社会人になってから「夏のかぜ」をひいた経験があると答えた20〜40代の有職男女500名