テニス、ウィンブルドン選手権、ジュニアの部・女子シングルス決勝。リターンを打つエレナ・オスタペンコ(2014年7月6日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が9月に第1子出産を控え、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は太もものけがで戦列を離脱する中、今年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)女子シングルスは、ここ数年で最も多くの選手に可能性が開かれた大会になっている。

 現在2連覇中のセレーナが競技から離れたことで、空位となった頂点の座にはドーピング違反から復帰したシャラポワが収まるかにも思われた。しかし、四大大会(グランドスラム)通算5勝の元女王は、復帰3大会目のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2017)で負傷し、ウィンブルドン予選の欠場を余儀なくされた。

 グランドスラム通算23勝と絶対的な力を誇るセレーナと、常に話題をさらうシャラポワが不在の中、来月3日にウィンブルドン開幕を控える女子テニスのスター不足は否めない。しかし、エレナ・オスタペンコ(Jelena Ostapenko、ラトビア)が全仏オープンテニス(French Open 2017)で予想外の優勝を飾ったように、裏を返せば無名の選手にチャンスが転がっていると言える。

 英国男子の元ナンバーワンで、現在は英BBCで解説を務めるジョン・ロイド(John Lloyd)氏も「今年は15人近くの選手に優勝する可能性がある。最も扉が開かれている大会だ」と話している。

 ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)の優勝で世界ランキングを一時12位まで急上昇させた20歳のオスタペンコは今、全仏での活躍が一過性のものではなかったことを証明しなくてはならない状況に立たされているが、2014年大会ではジュニア部門を制するなど、ボールが高く弾まないウィンブルドンの芝との相性は良い。

 全仏オープンでつかんだ幸福感を手にオスタペンコが英ロンドン(London)に乗り込む一方、世界2位のシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)は「今でも寝る前にあの決勝のことが頭に浮かぶ。1セットアップで3-0までリードしていたという事実が非常に厳しい。それが胸に深く突き刺さっている」と話すなど、オスタペンコの前に悲願のグランドスラム初制覇を逃した失敗と折り合いをつけられずにいる。

 優勝と王座奪取まで残り3ゲームに迫りながらも、2014年の全仏に続きグランドスラムで2度目の準優勝に終わった25歳のハレプは、これまでウィンブルドンで決勝に進出した経験はないが、念願のタイトル獲得に懸ける思いは強い。

■強盗被害の悪夢から完全復活なるか?

 ハレプと現世界1位のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)による王座争いも、今年のウィンブルドンでは注目の一つとなる。

 エカテリーナ・マカロワ(Ekaterina Makarova、ロシア)と対戦した全仏オープンテニス1回戦で、女子選手としては第1シードで大会史上初の初戦敗退を喫したケルバーは今、飛躍的な改善が必要とされている。

 前回大会は決勝でセレーナに苦杯をなめたケルバーは、同年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)で頂点に立ったものの、今年はまだツアー優勝がない。

 一方、昨年12月に刃物を持って自宅へ押し入った強盗と格闘した際に利き手の左手に重傷を負ったペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)が3度目のタイトルを獲得すれば、おとぎ話のような復活劇が完結を迎えると言える。

 2011年、2014年大会女王のクビトバは事件後、半年間にわたり戦列離脱を余儀なくされたが、全仏オープンで復帰を果たすと、グラスコートで行われた前週のエイゴン・クラシック(AEGON Classic Birmingham 2017)で見事に優勝を果たした。

 27歳のクビトバは、腹筋のけがを理由に今週のエイゴン・クラシック(AEGON Classic Birmingham 2017)を欠場しているが、「人生において非常に難しい時間を過ごしてきた。バーミンガム(Birmingham)での優勝はさらなる自信になるし、まだ戦う力はある」と得意とするグランドスラム大会での上位進出を誓っている。

 また、ウィンブルドンで5度栄冠に輝いた実績を誇る37歳のヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)や、出産からカムバックした元世界1位のビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)も優勝争いに絡んでくるはずだ。
【翻訳編集】AFPBB News