ウィンブルドン選手権で史上最多8度目の優勝を目指すロジャー・フェデラーのプロフィル(2017年6月27日作成)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】シーズンに途中で別れを告げることになった衝撃の準決勝敗退から1年―史上最多8度目のタイトルと大会最年長王者を目指すロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)に帰ってくる。

 今年8月で36歳を迎えるフェデラーだが、前回大会ではミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)にフルセットで屈すると、批評家の間からは「過去の人」との声が上がった。センターコートでの敗戦後、フェデラーは痛めた膝を休めるため、残り試合の全休を発表した。それからはや1年。フェデラーは肩を並べるピート・サンプラス(Pete Sampras)氏のウィンブルドン通算7勝を超えるとともに、自身の四大大会(グランドスラム)勝利数を19に更新しようとしている。

 長年のライバルであるアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が長期にわたり深刻なスランプに陥っているだけでなく、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も芝コートにおける膝への不安がぬぐい切れない中、先頭に立っているのは紛れもなくフェデラーだ。

 1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)で自身5度目の優勝を果たしたフェデラーは、前哨戦ゲリー・ウェバー・オープン(Gerry Weber Open 2017)で手にした9度目のタイトルを引っ提げてウィンブルドンに乗り込む。

 同大会決勝では15歳年下で自身の後継者となる可能性もあるアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)を圧倒し、約3か月ぶりの実戦復帰戦で苦杯をなめた1週間前のメルセデス・カップ(MercedesCup 2017)から復活を印象付けた。

 メルセデス・カップでの初戦敗退は、マリオ・アンチッチ(Mario Ancic)氏に敗れた2002年のウィンブルドン以来、得意のグラスコートでは初めてのことだったが、ドイツ・シュツットガルト(Stuttgart)での黒星は良いタイミングだったとフェデラー本人はとらえている。

 今シーズンはわずか2敗しか喫していないフェデラーは、優勝を決めた試合後「正直言って自分を少し疑っていた。芝で15年ぶりに初戦敗退を喫すれば、少し揺さぶられて当然だし、実際にそうなった」と語った。

「すぐに立て直してそれ(敗戦)を忘れ去り、前に進むだけでなく、自分が芝で良いプレーをできるんだということを思い出せてうれしい」

■「苦しくも楽しい場所」

 2017年シーズンはここまで、全仏オープンテニス(French Open 2017)で10度目の優勝を果たし、自身を疑問視する周囲を黙らせたナダルが、フェデラーと頂点を競い合っている。ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)のタイトルでグランドスラムでの優勝回数を15に伸ばし、サンプラス氏を抜いてフェデラーまで3勝に接近しているナダルだが、ウィンブルドンは常に苦しくもあり、楽しい場所として存在してきた。

 史上最高の試合とも語られる決勝でフェデラーを破って初優勝を果たした2008年大会に加え、2010年にもタイトルを獲得したナダルは、2006年、2007年、2011年こそ準優勝に輝いたが、2009年と2016年は故障のため欠場した。

 さらに2012年から2015年は、ルカシュ・ロソル(Lukas Rosol、チェコ、当時100位)、スティーブ・ダルシ(Steve Darcis、ベルギー、当時135位)、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア、当時144位)、ダスティン・ブラウン(Dustin Brown、ドイツ、当時102位)ら格下にそれぞれ不覚を取った。

 最近では2014年大会の4回戦進出が最高成績となっているナダルは「膝に痛みがあれば、これまでの経験から言って(優勝は)不可能」と話すなど、バウンドが低く、膝や関節に負担がかかりやすいウィンブルドンの芝で新たな問題を抱えた場合は、再び早期敗退する可能性があると認めている。

 一方前年王者のマレーは、エイゴン選手権(AEGON Championships 2017)1回戦で世界90位のジョーダン・トンプソン(Jordan Thompson、オーストラリア)に敗れたばかり。2013年大会も制した世界1位だが、ここ4大会で2回戦以上に進めなかったのは2度目となっている。

 芝での試合不足を理由に、マレーがハーリンガム・クラブ(Hurlingham Club)で行われるエキシビション大会のアスポール・テニス・クラシック(Aspall Tennis Classic 2017)参戦を決断した中、ウィンブルドン通算3勝のジョコビッチもエイゴン国際(AEGON International 2017)で不振脱却への道を模索している。

 キャリアグランドスラムを達成した直後に行われた昨年のウィンブルドンは世界1位として挑んだジョコビッチだったが、3回戦でサム・クエリー(Sam Querrey、米国)の前に敗退。それ以降は不安定な時期が続いている。

 現在ではトップ3からも陥落し、コーチを務めたボリス・ベッカー(Boris Becker)氏やマリアン・ヴァイダ(Marian Vajda)氏にも別れを告げた。アンドレ・アガシ(Andre Agassi)氏と正式にタッグを組むかについては、まだ決断が下されていないが、先日の全仏オープンでは準々決勝でドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)に完敗。ここ4年のグランドスラムで最短の敗退を喫した。

 その試合の第3セットで12年ぶりに「ベーグル」の屈辱を味わった30歳のジョコビッチだが、「これはすべてのトップ選手が通る道。私も例外ではないし、そこから教訓を学び取り、さらに強くなって帰って来なくてはいけない。大変な挑戦ではあるが、受けて立つつもりだ」と視線は前を向いている。
【翻訳編集】AFPBB News