発達障害

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タレントの栗原類さんや書道家の武田双雲さんなど、有名人のカミングアウトが相次ぎ、少しずつ認知度が高まりつつある『発達障がい』。大人になってから診断を受ける人も増えているという。そこで、『生きづらいと思ったら親子で発達障害でした』(KADOKAWA)を出版したモンズースーさんを取材。自身も「ADHD(注意欠如多動性障害)」であり、発達障がいの可能性があるグレーゾーンの長男と次男を持つモンズースーさんだが、今後はどんな子育てを目指すのか。

●目指すのは「子どもたちの自立」

グレーゾーンである長男は、療育の段階から幼稚園と順調にステップアップ。いずれは小学校以降の学童期を迎えることになるが、子どもたちの育て方において、今後はどんなことを意識していくのだろうか。モンズースーさんは、「どんな育児をしたいのかについては、これといってないのですが…(笑)」と遠慮しながら断りつつ、こう続けた。

「私の目標は『子どもたちの自立』。定型発達(健常者の発達)の子と違って、例え周囲から支援して頂くことになったとしても、子どもたちがなるべく自分の力で仕事をして、生活できるようになればいいなと思っています。親が子どもにできることは少ないですが、子どもが大人になってから親ができることはさらに少なくなりますから」(モンズースーさん 以下同)

特に、「生活面のことは、なるべくたくさん経験させてあげたい」と語る。

「勉強は学校で教えてくれるかもしれない。でも、たとえばATMの使い方や電車の乗り方はどうでしょうか? うちの子は料理に興味を持っているので、一緒にやってみることもあります。日々の暮らしのなかで自分でできることをさせていくのが、子どもたちの自立のためにも必要だと思っています」

●「助けて」と伝えることができれば、誰かが助けてくれる

「育児は一人でやるものだと思っていた」と語るモンズースーさん。

「実際は違いました。子どもは『助けて』と自分では言えないものですが、実は親もそう。『助けて』と言えない大人がたくさんいる。でも、どんな育児でも、困ったときには助けを求められるのだということを知っておいてほしい」

では、もしも育児に行き詰ったら…誰に助けを求めればいいのだろうか。

「例えば、自治体によっては、乳幼児健診もそのきっかけになるかもしれないし、通える養育施設があれば行ってみてもいいと思います。ネットのつながりでも良いかもしれないけれど、リアルの方が、私はより楽になれるような気がしました。また、子どもを預ける『児童デイサービス』なども視野に入れてほしいと思います。子どもを預けることに抵抗があるママもいるかもしれないけれど、それなら、『どうしようもなく疲れた時に利用しよう』という気持ちで、手続きだけしておけば気持ちは楽になるはず。預けることができる場所があるんだ…そう思えることが大切です。預けてパニックになる子だっていなくはないけれど、親以外の大人と接することで、成長につながることもある。“助けを求めれば助けてくれる場所があるんだ”ということを忘れずにいてほしいです」

●つらい時期を乗り越えた私たちの「その後」を見てほしい

最後に、自身の書籍について、「本当に伝えたかったこと」をこう語る。

「子どもを育てながらたくさんの資料や本を読み、ネットでも情報を調べましたが、出てくるのは、小学校以降や大人になった後の話ばかり。就学前の時期の情報についてはまるで見つかりませんでした。その一方で、例えば、療育先や幼稚園については調べられるのですが、そこに入った子どもたちがその後どうなったかがわかる本や体験談は、数年前はほとんど書かれていませんでした。自分が一番つらかった時期、『この先どうなるんだろう』という先の見えない不安は、とても苦しいものでした。だから、読者の皆さんに、『こんな選択肢もあるんですよ。私の場合はこうでしたよ』ということを伝えたかったんです。療育や幼稚園を通じたその後の子どもの姿をぜひ見てほしいと思います」

一番つらい時期、迷う時期の情報はあるけれど、その子どもたちがその後どう育ったのか…ママが知りたいのは、本当はその情報なのかもしれない。発達障がいがあろうとなかろうと、子育てで将来に不安を感じるのはみな同じ。でも、その不安をママが行動することで取り払い、新しい道を切り拓くことができるかもしれない。まっすぐに子育てをしてきたモンズースーさんの生き方を知ることは、きっとママたちの子育ての「選択肢」を増やすことにつながるはずだ。

(取材・文/相馬留美)