by Sabri Tuzcu

「仕事中に居眠りすること」は現代社会において悪いとらえ方をされますが、昼寝は人間の知覚・注意力・生産性を上げてくれるとして、The New York TimesのTim Herrera氏は「仕事中に申し訳なく思うことなく昼寝をすること」を推奨しています。

Take Naps at Work. Apologize to No One. - The New York Times

https://www.nytimes.com/2017/06/23/smarter-living/take-naps-at-work-apologize-to-no-one.html

「就業中であっても疲れている」という従業員は多くの会社に存在し、例えばBersin by Deloitteの創業者であるJosh Bersin氏は「疲れによって従業員たちの生産性に問題が生じている」ということを認めています。しかし、ランチタイムやコーヒーブレイクが人々をリフレッシュさせ生産性を上げるということは知られているのに、昼寝の有用性は広く知られていません。そのため、昼寝が人々の注意力や生産性を上げるという証拠を作り、上司に訴える必要があります。



by Gamaliel Espinoza Macedo

これまでの研究で、昼寝が日中に生じる頭の霧を晴らしてくれるという内容は複数発表されています。例えば、被験者に対して1日に4回の知覚パフォーマンスのテストを行うという実験をしたカリフォルニア大学のサラ・メンディック博士の研究では、通常時、1日が終わりに向かうにつれ、被験者らのパフォーマンスは悪くなるという結果がでました。しかし、テストの間に被験者らに30分の昼寝をしてもらったところ、パフォーマンスが上がることが判明。60分の昼寝を行った人はパフォーマンスが回復するまでに至ったことから、研究者らは「適切な質の眠りは、夜の眠り全体と同じぐらいに大きな利益がある」と語っています。

メンディック博士によると、昼寝時間の長さによって、得られる利益は異なってくるとのこと。例えば20分から60分の昼寝は睡眠サイクルの1つであるノンレム睡眠のステージに入ることができる長さのため、記憶力と学習能力を向上させることが可能です。

また、60分以上の昼寝ではクリエイティビティ・知覚プロセスなどを向上させるレム睡眠に入ることができ、人はばらばらのアイデア同士をつなげることができるようになります。このような理由から、メンディック博士は、ノンレム睡眠とレム睡眠が1サイクルとなる90分の昼寝を推奨しています。



by William O'Brien Fine Art

一方、タンザニア・ナミビア・ボリビアなどで狩猟採集生活を行っている部族の睡眠習慣を調査した研究では、朝に活動した狩人たちは一旦木陰で軽く休み、その後再び動いてから、夜になって本格的な眠りに入るというサイクルが報告されています。このことから、精神医学と生物行動科学を研究するジェローム・シーゲル氏は「昼間の眠気や疲れを解決する唯一の方法は『夜にしっかり眠ること』です」と語っており、7〜8時間の睡眠を取ることを理想としていますが、なかなか十分な睡眠が取れない現代の人々は昼寝が必要になるわけです。

シーゲル氏は、夜にしっかりとした眠りを取るために「日中の遅くにカフェインを取ることを避けること」「もし夜に眠る時間がばらついても、朝は同じ時間に起きること」を勧めています。その上で、「静かで誰にも邪魔されない場所」を探し、「アイマスクをするなどしてできるだけ薄暗い空間を作り出し、耳栓をすること」「昼寝時間を20分ほどに設定すること」で、完璧な昼寝を実現することができるわけです。