ドラギECB総裁のデフレ圧力がリフレに変わったという発言が、やや市場の混乱を招くことになった。その誤解を解くコメントが欧州中央銀行(ECB)関係者から発表され、反発からのユーロ売りが発生している。イエレン議長の就任前にFRBでも問題となったが、敏感な市場に対してテパーリング観測を強めるような発言は不用意だったといえる。ドルもやや振り回されて、6月28日(すべて日本時間)の為替相場としては1ドル112円47銭から111円83銭のレンジとなった。

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 発表された経済指標としては、21:30に5月卸売在庫が事前予想の+0.2、前月の-0.4を上回る+0.3。5月前渡商品貿易収支が事前予想-660億ドル、前月-671億ドルに対して-659億ドルと赤字幅を縮めた。1ドル111円92銭と112円台を割り込んでいたが、経済指標の結果からドル買いが進み、22:30には1ドル112円31銭まで上昇している。23:00には、中古住宅販売の先行指標となる5月中古住宅販売成約指数が発表され、こちらはプラスの事前予想を覆す-0.8となった。3カ月連続の減少となり、ドル売りに傾いたが、米国株価の堅調ぶりがドルを下支えしており、その後は112円を下回ることなく推移している。

 本日は21:30に前週分の新規失業保険申請件数が発表される。同時刻には第1四半期のGDP確定値、さらに個人消費やPCEコアデフレーターの確定値も発表される。日付が変わった6月30日の2:00からはブラード・セントルイス連銀総裁の講演が予定されている。

 この辺りが売り買いの材料になってくるだろうか。追加利上げについてはまだ判断材料に乏しい状況であり、30日に発表される経済指標が重要な役割を持ってくる。インフレ率は目標に近づくことはできるのだろうか。バランスシートの縮小がまもなく開始される点については織り込み済みとなってきた。こちらの要素もまたドルの下値を限定的なものにしている。追加利上げ観測は後退するのか、月末最終日までドル円の相場は予断を許さないだろう。