学生の窓口編集部

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こんにちは! 都内を中心にさまざまな学食を巡っている早稲田大学学食研究会です。

今回取材に伺った慶應義塾大学は、同じく都内の私立大学・早稲田大学となにかと比べられることが多い存在。前もってお伝えしておくと筆者は生粋の早大生ですが、むしろカッコイイ慶應が大好きです! しかし世間的には、早稲田大学と慶應義塾大学は永遠のライバルとされています。では、その両校がライバルであるというルーツは一体どこから来ているのでしょうか?

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歴史を遡ると、両校のライバル関係は1906年に起こった「万歳事件」のあたりに端を発するとのこと。慶應義塾大学野球部がこの年の第1戦の早慶戦に勝利し、興奮した慶應の学生が早稲田大学の正門にて「万歳」を行ったのです。さらにその報復として、第2戦に勝利した早稲田の学生が福沢諭吉邸と慶應義塾大学正門にて「万歳三唱」を行いました。そこからますます両校の争いは過熱し、その白熱ぶりは第3戦の開催が危険と判断され中止になるほどでした! この事件以降、両校はお互いを真のライバルと認めるようになったそうです。

ライバルは「好敵手」とも訳します。早稲田がいるから慶應が、慶應がいるから早稲田が強くなったのでしょう。100年以上続く両校のライバル関係は、これからさきもお互いを高め合う意味で続いていってほしいものですね。

さて、今回はそんな慶應義塾大学の三田キャンパスにある学食「山食」へ伺いました! 歴史に名を連ねる慶應大野球部もお世話になっているという学食ですが、いったいどのようなメニューが揃っているのでしょうか?

キャンパス&学食の外観

慶應義塾大学三田キャンパスは都営線三田駅から徒歩7分、JR田町駅から徒歩8分、都営大江戸線から徒歩8分の場所に位置しています。近辺には多くの大使館があり、また東京タワーもすぐ近くに見ることができます。さすが港区‼ といった感じでしょうか。

慶應義塾大学三田キャンパスと言えば、まずこの東門が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか? 東門の中央に配置されたシンボルマークの下には、福沢諭吉が著書『学問のすすめ』のなかに残した格言「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」を意味するラテン語「HOMO NEC VLLVS CVIQVAM PRAEPOSITVS NEC SVBDITVS CREATVR」が記されています。

さて、そんな慶應の象徴と言える東門を潜り抜け、三田キャンパスに潜入開始です!

三田キャンパスにはそのほかにも国の重要文化財である三田演説館や、赤レンガの図書館旧館などがあり、明治時代の歴史の風を感じることができます。もちろん福沢諭吉像もあります。

今回訪れる「山食」は、キャンパスの西側奥に位置する西校舎地下1Fにあります。

学食の内観

≪ようこそ 栄光の三田へ!! ようこそ 伝統の山食へ!!≫

中に入ってすぐのところにこのボードが掲げられています。後半の「伝統の山食」というキャッチコピーに着目してみましょう。いったいどんな背景があるのでしょうか。

まずは「伝統」から解説していきましょう。「山食」は最近できた学食ではありません。なんと創業が1937年(昭和12年)というとんでもなく古い歴史を持っています。戦時中には火災で焼失したこともあり、その後数回にわたって移転を余儀なくされています。しかし、「山食」は教授、学生、OB・OGなど慶應義塾大学に関わる全ての人に愛され続け、そんな幾多の困難を乗り越えてきました。その結果、今年で創業80周年を迎えるそうです!

次に「山食」というネーミングについてです。なぜそう呼ばれているのでしょうか。これには2つの説があります。

1つ目は、丘の上にあったため呼ばれていた「三田の山の上の食堂」という愛称を縮めて、「山食」と呼ばれるようになったという説。

2つ目は戦後、物資が乏しい時代に寄せ集めのテーブルやイスで営業していたため、風の強い日はガタガタと音が立ち、「まるで山にある食堂のようだ」と学生が言っていたのが浸透し、いつしかそれが短縮され、「山食」になったという説。

通説は前者の説だそうですが、由来がはっきりしないところにも歴史を感じますね。

さて、そんな歴史ある「山食」の内観はいたってシンプル。三つの縦長のテーブルが並べられており、奥のほうには大きな慶應の校旗が掲げられています。

メニューについて

「山食」のメニューは内装同様に至ってシンプル。オムライス(410円)やポークソテー(510円)、カルビ定食(510円)など昔ながらのメニュー約10種類が並びます。

そして、ここ「山食」の名物といえば「カレーライス」! 慶應義塾大学三田キャンパスで授業を受けた人ならば、必ず一度は食べたことがある、と言われているぐらい長年愛されている名物メニューです。数十年にも渡る長い期間、「山食」の顔として愛され続けたカレーライスは、いったいどのような味なのでしょうか。期待が高まりますね。


慶應義塾大学三田キャンパス「山食」のおすすめメニュー第1位「カレーライス(320円)」

看板メニューのカレーライスが1位にランクインです。「山食」のカレーライスには一切市販のルーは使われていません! すべて手作りです!

まず小麦粉やカレー粉、にんにく、しょうが等をオーブンで焼き、ルーを作ります。

そのルーに豚の旨みがたっぷり溶けだした豚骨スープを合わせ、一日じっくりコトコト煮込めば完成です。

さて、そんな手間暇かけて作られたカレーライス。味のほうはと言いますと、わずかにスパイシーさを感じる程度で全体的にはマイルドな味付けとなっています。更に、どこか一般的な学食のカレーと違ったほのかな酸味が感じられます。いったいなんなんだ……? と不思議に思っていると、食堂の方が味の秘訣を教えてくれました。実は隠し味にケチャップを使っているそうです! 具はシンプルに豚肉とたまねぎのみですが、そんなひと工夫が長年に渡り塾生の胃袋をつかんで離さないのでしょうね。大き目にカットされた豚肉、とろっとろに煮込まれたたまねぎがルーを引き立てます。

ごはんもボリュームたっぷりで、食べ終わるとお腹いっぱいになりました。福伸漬けはセルフサービスなのでお好みで。実際に食べてみて、なんとなく「山食」のカレーライスが愛され続けている理由がわかった気がします。これからもこのカレーライスは、多くの塾生から愛され続けるのでしょうね。

慶應義塾大学「山食」のおすすめメニュー第2位「ハヤシライス(370円)」

カレーライスに次ぐ人気を誇るメニューが、このハヤシライスだそうです。ちなみにハヤシライスは火曜日限定。火曜日だけはカレーライスはお休みで、代わりにこのハヤシライスが提供されます。今回伺ったのは金曜日でしたが、特別に食べさせていただきました。

ハヤシライスの作り方はカレーライスとだいたい同じですが、煮込む時間が違います。約4日、100時間煮込み続けるそうです! そんなハヤシライスにコクが出ないわけがない。じっくり煮込まれた牛肉から溶け出した牛脂の甘味と、ケチャップの酸味がバランスよく混ざり、深みのある味わいとなっています。また、隠し味に赤ワインなどを加えていることによって、まるで洋食店のような本格的な味に仕上がっています。カレーライスと共に愛されている「山食」のハヤシライス、ぜひ味わってみてください。

慶應義塾大学のおすすめメニュー第3位「若き血みそラーメン (400円) 」

味噌ラーメンなんてどこにでもあるじゃんと思った方。それは違います。そもそもメニュー名にある「若き血」とは? これは慶應義塾大学応援歌の歌詞の一部ですが、それは麺でしっかり表現されています。

ご覧ください! 麺が赤いのです! なんでも麺に唐辛子が練り込まれているそう。しかし、想像ほどの辛さはありませんのでご安心を。唐辛子を練り込んだ麺はツルリとした細麺で、あっさりとしたピリ辛スープによく絡まります。このスープもピリ辛ぐらいなので、辛い物が苦手な人でもおいしく感じるちょうどよい味わいになっています。また、濃すぎてしつこさを感じることもなく、絶妙なバランスで非常に飲みやすいスープです。具材もたっぷりで、細麵と言えどお腹いっぱいになり、腹持ちもよく大満足です!

他の学食の味噌ラーメンとは一線を画す味噌ラーメンでした。慶應カラーで彩られた器に盛りつけられた若き血味噌ラーメン、ぜひまた頂きたいラーメンです!

慶應義塾大学のおすすめメニュー番外編「パイナップル(100円) 」

学食でフルーツって意外とないんですよね。しかし「山食」ではパイナップルが提供されています。ジューシーかつ甘味が強く、なんとこの大きさで100円です! 6切れあるので友達とわけて食べるのもよし、一人だけで全部食べるもの楽しそうです。

総合評価

おいしさ:★★★★★
メニューの豊富さ:★★☆☆☆
オリジナリティ:★★★★☆
おしゃれさ:★★☆☆☆
コスパの良さ:★★★★☆
ボリューム:★★★★☆

三代目社長の谷村忠雄さんは、中学生の頃からここ「山食」で働き始め、約60年間学生を見つめ続けてきたそうです。昭和30年頃の塾生は学ランを身に纏い、必死に勉学に励み、そしてお腹を空かせて「山食」に来ていたと言います。数十年で学生の雰囲気は変わっても、「山食」の味は全く変わっていません。そんな「山食」の味が忘れられず、今となってもOBOGが足繫く訪れ、中には使用している器を買って自宅で使う人もいるそう。まさに歴史と伝統の「山食」。これからも塾生の思い出の味となり続けるのでしょうね。

文:早稲田大学公認サークル 学食研究会

1999年創立の日本最古の学食研究サークル。男女問わずインカレで現在約60名のメンバーが在籍し、都内を中心にさまざまな大学の学食を巡っています。