画像提供:マイナビニュース

写真拡大

「玉ねぎ=体によい食材」というイメージを抱く人は多いはずだ。これまでもテレビなどの各種メディアで、玉ねぎ摂取のメリットが幾度となく紹介されている。そんな「健康食材」である玉ねぎの地位をさらに揺るぎないものにしそうな研究が先般発表された。

海外のさまざまなニュースを伝える「MailOnline」にこのほど、「玉ねぎとガンの関係性」をテーマとしたコラムが掲載されたので、その内容を本稿で紹介しよう。

このほど発表された研究は、赤玉ねぎがガンとの闘病に役立つ可能性を示唆している。地中海式料理でよく使われる赤玉ねぎには、腫瘍を破壊するのに役立つ化合物が豊富に含まれているとのこと。例えば、ガンの転移予防になると言われているアントシアニンやガン細胞を縮小させると考えられているケルセチンなどだ。

各種玉ねぎにも多くのアントシアニンが含まれており、アントシアニンはケルセチンの特性を高めることも判明している。また、アントシアニンは単体でもガンとの闘病に役立つ特性がある。実際、カナダの科学者はどの玉ねぎでもガン破壊の一助になりうると主張しているという。

今回報告された研究を行ったゲルフ大学のアブダルモネム・ムレイヤン氏は「玉ねぎはガン細胞殺傷能力が極めて高いことが判明しました。玉ねぎは、ガン細胞の細胞死を起こしやすくする経路を活性化するのです。玉ねぎはガン細胞にとって居心地の悪い環境を作りだし、ガン細胞間の連絡を断ち切ることによってガン細胞の成長を防ぐのです」と語る。

今回の研究では、結腸ガン細胞に5つの異なる種類の玉ねぎから抽出したケルセチンを直接触れさせたところ、ルビーリング玉ねぎ(The Ruby Ring onion)の効力が最も大きかったことがわかった。さらに別の研究では、玉ねぎは乳がん細胞の死滅にも有効であることが判明した。

ただし、これらの研究成果に懐疑的な意見もある。英国ガンリサーチの上席科学情報官であるジャスティン・アルフォード博士は、研究室においてある種のタマネギ抽出物が腸がん細胞を殺す可能性があることを示したからといって、同様の現象が生体内で起きるとは限らないと指摘。

そのうえで「もしも、玉ねぎのどの分子がこれらの有益な効果を有するかを科学者が明らかにすることができれば、潜在的な薬になるよう将来に研究される可能性がある」と語る。科学者たちは今後数年以内に、治験において玉ねぎの「ガン撲滅力」を試すことを目指しているという。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)

米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。