投資信託の残高の約5割を占める「毎月分配型投資信託」。投信の主役で、「誰もが買う投信」と言っても過言ではありません。中には退職金のかなりの額を投じて買っている人、月々の分配金を老後の命綱としている人もいます。しかし、金融情勢や経済状況の変化で、そんな毎月分配型投信に危機が迫っています。すでに毎月の分配金が減らされた投信がいくつも出現していて、投資家のあいだで動揺が広まっていますが、これはまだ危機の序の口。毎月分配型投信に迫る危機の実態、そして危機への対処法を『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない』の著者である深野康彦氏が初心者にもわかりやすく解説します。

世界同時株高なのに
親の虎の子の資産がピンチ

 日本に毎月分配型投資信託が登場してから20年。紆余曲折はありながらも、その純資産総額は投資信託全体の5割前後を占めていることから、市民権を得た人気金融商品と言っても過言ではありません。

 ところが、その毎月分配型投資信託を取り巻く環境は、世界同時株高に反して大幅に悪化しているのです。

 毎月分配型投資信託といっても、いま一つ馴染みが薄い人がいると思われるので、その仕組みを簡単に紹介しておきましょう。投資信託とは、複数の投資家から集めた資金を使って、運用会社(投資信託委託会社)が株式や債券などで運用し、その運用の成果を私たち投資家に還元してくれる金融商品です。「投信」「ファンド」などと呼ばれますが、その内、毎月決まった日に、運用による収益などから毎月分配金を支払うものを「毎月分配型投資信託」と呼んでいます。株式ですと3月末と9月末など、年2回配当金がもらえる企業が多いですが、この配当金が年12回つまり毎月もらえるようなものです。この毎月分配金を受け取ることができる点に魅力を感じ、高齢者を中心に売れ続けているのです。

 投資信託は「儲かっているのかどうかよくわからない」という声が多かったのですが、目に見える形で定期収入が得られると、投資を行っている手ごたえを感じるというわけです。さらに、低金利が長期化していることも、毎月分配型投資信託が売れ続けた背景にあります。毎月支払われる分配金を12倍(1年)して、購入価格(基準価額)で割ると、その分配金利回りは10%前後、中には20%超という高分配商品もあることから高齢者に人気を博したわけです。

 ここが当コラムのポイントです。このコラムを読んでいる「あなた」よりもあなたの「親」が毎月分配型投資信託を保有している、あるいはいつの間にか親が買っていたということが多々あるのです。

 投資信託は銀行でも買えるため、「利息がほとんどもらえない定期預金よりも、毎月分配型投資信託にしてはいかがですか?」などと勧められ、よく理解しないまま、定期預金を解約して買ってしまう高齢者も少なくありません。

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