夏は野外で行うBBQがおいしいシーズンですが、「自己流のBBQ職人たち」の手によって、おいしい食材が真っ黒焦げの炭と化してしまう光景を見ることも多々あります。食材によって適したグリル調理法を素人が熟知しておくのは難しいものですが、「マヨネーズをつけてグリルすれば全て成功する」という簡単すぎる驚きの調理法について、BBQのプロが力説しています。

Why you should be grilling with mayonnaise - LA Times

http://www.latimes.com/food/dailydish/la-fo-grilling-with-mayonnaise-recipes-20170610-htmlstory.html

◆マヨネーズの科学

BBQレシピサイト「AmazingRibs」の創設者で、BBQに関する本も出版しているミートヘッド・ゴールドウィン氏によると、「マヨネーズは食材にとてもしっかり付着し、グリルした時に食材が網に引っ付くのを防ぎ、美しい黄金色を作り出します」と話しています。加えて、ゴールドウィン氏のBBQ本の共同著者であるボストン大学のグレッグ・ブロンダー教授は「マヨネーズはエマルション(乳濁液)です。細かい油滴が卵黄で包み込まれた素晴らしい性質を持っています」と説明しています。

エマルションとは通常混じり合うことのない水や油が、細かい粒子となって液体の中で均一に分散している状態。食材に油を付けて焼いても、油分と水分は混ざらないため、肉などの食材に油分を残すことはできず、付けすぎた油が流出して火が強くなるといった調理の失敗も招く可能性があります。しかし、マヨネーズの油分は乳化されているため、食材にマヨネーズを付けて焼けば、適度な油分を食材に残すことができるそうです。ブロンダー教授は「マヨネーズは例えるなら『持続放出型のオイルカプセル』のように機能し、牛肉だけでなく鶏肉や魚などをグリルするのにマヨネーズは非常に適しているのです」と話しています。

さらにマヨネーズを付けて焼いた食材の表面は、熱を受けて褐色に変化する「メイラード反応」という化学反応を起こします。マヨネーズはメイラード反応に必要な糖とアミノ化合物を兼ね備えているためです。これにより見た目にもおいしそうな料理に仕上がるわけです。



また、マヨネーズを付けてグリルすることで、食材の水分が蒸発するのを防ぐ効果も得られます。ゴールドウィン氏は「鶏のムネ肉は世界で最もパサパサした食材ですが、マヨネーズはムネ肉にすらしっとり感をもたらすのです」と話しています。これは加熱した時に食材の中の水分の代わりに、マヨネーズの水分が蒸発するためだそうです。ゴールドウィン氏いわく、食材にじっくりと油を回しかけながら低温で加熱する「Baste」も食材の水分を保持できる調理法ですが、マヨネーズを塗るだけでこの調理法よりしっとりと食材を焼き上げることが可能とのこと。



◆マヨネーズの魔法

「マヨネーズを付けると味がついてしまうのがイヤ」という人も多いはずですが、ゴールドウィン氏は「マヨネーズは食材の風味を変えることはありません。マヨネーズは白いキャンバスのようなもので、どんなスパイス・ハーブでもかければおいしくなるのです。私はこれを『マヨの魔法』と呼んでいます」と主張します。これを聞いた記者は鶏のムネ肉・ポークチョップ・アスパラガス・マッシュルームなどさまざまな食材にマヨネーズをかけてグリルしたそうですが、特にマヨネーズを塗ったサーモンにディルを振りかけてグリルした時、まるでテフロンで焼いたように網に引っ付くことはなく、「反則だ」と思うほどうまく仕上がったそうです。