<有志連合を率いる米中央軍から重大発表。ISISさえやっつければ土地はアサドのもの。米軍は速やかに撤退する──戦後復興はまたしないらしい>

ISIS(自称イスラム国)掃討作戦を進める有志連合の米中央軍報道官ライアン・ディロン大佐は先週、アメリカのシリア政策に関する重大発表を行った。

彼はイラクとの国境に面したシリア東部の町アブカマルに言及し、次のように語った。


アブカマルでISISと戦う意欲と能力がバシャル・アサド大統領とシリア政府軍にあるのなら、歓迎する。有志連合の目的は土地を争奪することではない。

我々の使命はISISを撲滅することだ。もしアサド政権が我らと協調し、アブカマルやデリゾールなどの町でこの使命を果たしてくれるなら、我々が同じ地域に出ていく理由はなくなる。

この発言の重大性は見過ごせない。アサド政権とそれを支援するイランは、シリア東部のどこでも好きな土地を取ってよい、と言っているのだから。

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米中央軍は、シリア東部にシリア政府軍の影響力が及んでいるのは、レバノンやイラク、アフガニスタン出身の民兵を率いるイランの力が大きいからだと認識している。

アサド政権が、その悪政でISISの台頭を許し、象徴的な敵として維持する一方、汚職が蔓延し機能不全で残忍なアサド政権に対して広がりつつあった反乱を、ロシアやイランの助けを借りて潰そうとしたこともわかっている。

アサドの復活は誰も望まない

米国務省のブレット・マクガーク特使がシリア住民から聞いたISIS支配下の悪夢も、米中央軍は否定しないだろう。それでも一人の住民はこう言った。「アサド政権の復活を望む人は皆無だ。アサド政権のシンボルや政府軍の復活も望まない」

アサド政権は悪政を敷きシリアを崩壊寸前に陥れ、イスラム過激派はその混乱の中で成長した。それでも米中央軍は、ISIS掃討に向けて「協調」するなら、アサド政権がシリア東部を再び統治下に置くのを歓迎するという。

その場合、欧米がシリアで得る収穫は、イラクのフセイン政権を支えたバース党と魂の行き場を失ったイスラム教スンニ派が大半を占める犯罪集団を無力化できることだ。その集大成が、ISISがカリフ国家の「首都」と称するシリア北部ラッカでの戦いだ。

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米中央軍にとっては、ラッカでISISを掃討することがすべてなのだ。ISISが二度と復活しない環境を整えることは、たぶん他の誰かの仕事だと思っている。

フレデリック・ホフ(大西洋協議会中東センター上級研究員)