Amazonの今後の展開への興味も尽きないところだ (c) 123rf

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 米アマゾンの決算資料によれば、アマゾンジャパンの年間売上げは2016年、約1兆円に達した。日経新聞による最新の小売業調査でも、2016年度の年間売り上げは1兆1,747億円と、初めて年間1兆円を突破している。百貨店「高島屋」の2017年2月期の売上高が9,236億円であることを考えれば、その存在感は増すばかりだ。アマゾンを筆頭とするネット通販は日本の小売りの在り方を変えている。

 従来、消費者は近隣の商店やスーパーで商品を購入することがほとんどで、より品揃えの多い大型店へ足を延ばすような動きはあったものの、あくまでも現実の店舗で済ませていた。当時から通販業者は存在したが、業者ごとに限られた特定の商品を並べ、雑誌の隙間を埋めるかのような広告を出して、怪しげな印象を与える業者すら見受けられた。

 当時、インターネットの伸展により、アメリカでのネット通販の活況が伝えられもしたが、広大な土地を持て余しているアメリカならではの、固有の事例と受け止めることが一般的だった。

 アマゾンの創業者が現実店舗で書籍の品揃えを充実しようとしても、いずれ物理的な限界(店舗の広さには限りがある)にぶち当たることや、そうした店舗を数多く出店することの困難さに思い至って、ネット通販の道を切り拓き今日を迎えた。

 通販の抱える大きなネックは発注の都度送料がかかることである。アマゾンジャパンは「プライム会員」という制度を設け、3900円の年会費を負担した会員は都度の送料を無料としたことが、今日の売上に繋がった一つの要因だ。

 しかし、このシステムは運送業者を疲弊させた。運送業者との具体的な契約内容は不明であるが、収支ギリギリの厳しい条件であることは、ヤマト運輸の動向で推察できる。このためアマゾンジャパンは独自の配送網の構築に乗り出すと伝えられており、今後複数の配送事業者(個人運送事業者を2020年までに首都圏で1万人確保する)と連携していくと表明している。また、アマゾンは「アマゾンフレックス」という個人に宅配を委託する事業をすでに米国で始めており、「ドローン」を使った自動配達や、無人運転車による配送システムの研究も伝えられている。

 一方、米アマゾンは16日、スーパー「ホールフーズ・マーケット」を137億ドル(約1兆5000億円)で買収すると発表した。ホールフーズはアメリカの高級スーパーで、各地の特色を生かした行き届いた品ぞろえに定評があり、アマゾンの宅配イメージをランクアップさせる効果は大きい。

 しかし、それにも増して、ホールフーズが進めてきた商品の詰め合わせや、自宅への配送という買い物に付きまとう煩わしさを無くそうとする実験の持つ意味は重要だ、商品の詰め合わせをロボットと人工知能(AI)で行えるようになれば、繁忙期に大幅に増加する雇用を抑えることができる。つまり、ホールフーズが今まで積み重ねてきた実験に、アマゾンが自社技術を加えて短時間で完成させることができれば、時間を買うのと同じ意味があるのだ。アマゾンはどこまで進化するのか、今後の伸展に興味が尽きない