6月27日、米国務省の年次の人身売買報告書の発表にあわせて演説した、レックス・ティラーソン米国務長官(Win McNamee/Getty Images)

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 米国は、中国を北朝鮮と同じ「人身売買最悪国」に指定した。米国務省は6月27日(現地時間)、人身売買に関する年次報告書を発表し、4段階評価で、中国を北朝鮮の同じ最低ランクに格下げした。最低ランクに位置づけられる国は、人身売買防止のための最低基準にも満たしていないことを意味する。

 米国は報告書のなかで、中国は女性や子どもの強制労働と売春、人身売買があると指摘。ほかにも、中国当局は北朝鮮から逃げてきた難民を相次いで強制送還させ、結果、これらの人々が深刻な強制労働や処刑されたことを挙げた。

 ティラーソン米国務長官は発表に合わせた演説で「(中国を格下げしたのは)北朝鮮人の強制労働など人身売買をやめようという真剣な取り組みを行っていないからだ」と述べた。

 最低ランクに属する国は、国際通貨基金(IMF)と世界銀行からの非人道的救援と支援金を受けられないなどの制裁を受けることになる。その国の政府関係者は、米国政府が提供する教育、文化交流プログラムも参加することができない。

 昨年の報告書で中国は「注意2等級(Tier 2 Watch List)」に指定されたが、今回、人身売買の犯罪予防や改善措置が最低基準を満たしていないとの判断で、4段階のうち最低ランクの「3等級(Tier 3)」に格下げした。同様に引き下げられた国には、スーダン、イラン、ハイチがある。

 トランプ政権による中国の人権問題に対する公式な非難は今回が初めて。北朝鮮の核・ミサイル問題に対処するために、中国の協力を求め、直接的な批判を避けてきた。一部の専門家らは、報告書は北朝鮮の核・ミサイル問題におけるトランプ政権の中国に対する、新しい外交戦略だと見ている。

トランプ政権、外交政策で人身売買根絶の重要性を強調

6月27日、米国務省の年次の人身売買報告書の発表でコメントした、トランプ大統領の長女イヴァンカ大統領補佐官。米国政府が人身売買根絶を優先順位に置いていると強調した(BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images)

 トランプ大統領の長女イヴァンカ大統領補佐官は、米国政府が人身売買根絶を優先順位に置いていると強調した。

 ティラーソン米国務長官と同席したイヴァンカ氏は「人身売買を終わらせることは、トランプ政権にとって外交上の主要な優先課題」と述べ、すべての政府には人身売買に加担した人物を訴追する責任があると力説した。

 イヴァンカ氏はまた、トランプ大統領が2月に人身売買の取り締まりを強化する大統領令に署名したことに言及し、トランプ政権の外交政策の方向性を明らかにした。

(翻訳編集・齊潤)