資源国・新興国の株と経済が 今後「要注意」な2つの理由

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世界の株式市場の時価総額が史上最大を更新中です。リーマンショック以降、経済の回復が順調ではない中で、株式市場だけが大幅上昇しているのは、世界の中央銀行が未曾有の金融緩和(とりわけ量的緩和)を続けてきたからです。しかし、先日のFOMC(6月13-14日)では、ついにFRBの量的緩和を縮小する方針がはっきりと示されました。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』最新号ではこの件の影響について、あらゆる角度から分析・検証しています。今回はもっとも影響を受けやすいと思われる「資源国・発展途上国」の経済・株式市場について闇株新聞の見方をお伝えします。

FRBの量的緩和縮小が決まっても
新興国市場が動揺していない理由

 FRBの量的緩和が縮小される方針が示されましたが、今のところ資源国と新興国の経済は落ち着いており、株式市場も(ロシアを除いて)上昇しています。しかし、今後を考えると2つの懸念材料が挙げられます。

 1つ目は、FRBが資産を縮小して、もっとも影響を受けやすいのが資源国・新興国であるということです。

 2013年5月、バーナンキ議長(当時)が量的緩和(QE3)による資産買い入れ額の縮小に言及したとき、即座に資源国と新興国に動揺が走りました。

 その当時FRBは毎月850億ドルもの米国債とMBS(住宅ローン債権)を買い付けていました。バーナンキ議長はその買入れ額を近い将来「減らす可能性がある」としただけで、「買入れを停止する」とか「保有債券を売却する」などと言ったわけではありません。

 それでも市場はFRBの買入れ額縮小→金利の上昇→新興国からの資金引き揚げ→世界経済の低迷→資源需要の減退→資源国の経済低迷と連想し、投資資金の流出を招いたのです。

 今回のイエレン議長はそれよりさらに踏み込んで「FRBの保有資産を減らす」と言っているわけで、バーナンキ発言よりはるかに深刻なはずです。にもかかわらず、資源国や新興国の株式市場は落ち着いています。これはいったいはなぜでしょう?

 世界経済や株式市場が2013年当時より「イベントへの耐性」(突発的悪材料に過剰反応しない)を備えていることもありますが、最大の理由は米国長期金利が上昇していない(むしろ低下さえしている)からです。

 米国経済はトランプ政権への期待がはげ落ちて息切れしていますし、長期金利はFRBの資産縮小が景気の悪化を招くことを織り込んですでに低下しています。つまり、2013年当時のような、資源国や新興国からの資金流出が起きていないだけなのです。

資源価格が年初から大幅下落中
深刻な影響が出るのはこれから

 では投資家はこのまま安心していていいのでしょうか。いいえ、即効性はないものの米国経済の低迷はいずれ資源国・新興国経済を直撃するはずです。これから時間をかけてじわじわと深刻さが認識されていくはずです。

 懸念材料の2つ目は、資源価格がさらに落ち込んでいることです。原油(WTI)は42ドルまで値下がりし、経済活動に影響する鉄鉱石・石炭・ばら積み船舶運賃が本年初めの半値にまでなっています。

 直近のCRB指数(国際的な商品指数)は167で、本年1月高値の195から大きく下落。2016年2月の歴史的安値となった159にも接近しています。2016年2月といえば人民元の急落をきっかけに世界同時株安となった時期です(日経平均も1万4952円まで下落しました)。

 株式市場が実体経済を反映しなくなってかなり経ちますが、商品価格については気にかけておいたほうがいいでしょう。実体経済をより反映する指標ですし、とりわけ資源国・新興国の市場・経済には大きな影響が出ます。

 以上の理由から、資源国・新興国の経済や株式市場は「要注意」と考えておいたほうがいいでしょう。

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