自然災害などが発生して通信不能になった被災地に、無人機を使って緊急的に通信環境を提供することをアメリカ軍が計画中です。MITの学生は、アメリカ軍の要請を受けてガソリンで最大5日間も飛行可能なプロペラ機「Jungle Hawk Owl」を開発中です。

Engineers design drones that can stay aloft for five days | MIT News

http://news.mit.edu/2017/drones-stay-aloft-five-days-0607

Jungle Hawk Owlの飛行試験の様子は以下のムービーで確認できます。

Jungle Hawk Owl first flight - YouTube

マサチューセッツ州ニューベリーにあるプラム・アイランド空港。



自動車の屋根に載せられている機体がJungle Hawk Owlの試作機。両翼は24フィート(約7.3メートル)だとのこと。



プロペラを強制的に回して、5馬力のエンジンが始動しました。



Jungle Hawk Owlを積んだまま、自動車は滑走路へ。



自動車の走行速度が上がり……



勢いよくJungle Hawk Owlが離陸。



ムービーで確認できるとおり、かなりの勢いでJungle Hawk Owlは飛び立ちました。



地上から制御されるJungle Hawk Owlは、悠然と空を舞います。



なお、Jungle Hawk Owlは重量10〜20ポンド(約4.5キログラム〜9キログラム)の通信機器を搭載して1万5000フィート(約4.6キロメートル)上空から通信を届けることが求められています。



テスト飛行ではFAAの規制によりペイロードを抑え、総重量55ポンド(約25キログラム)以下の重量制限が課されていたとのこと。Jungle Hawk Owlは飛行試験が終わると滑走路に戻り……



見事に着陸に成功。



テストフライトを見守った人たちから大歓声が上がりました。



Jungle Hawk Owlはアメリカ軍が研究中の災害時対応の通信用ドローンとして開発が進められています。自然災害などで通信環境を失った場所に、緊急的に上空から通信を届けるのが目的でGoogleやFacebookが開発していたものと同様の目的を持っています。ただし、アメリカ軍が軍事作戦で使用中の無人機(UAV)の場合、連続飛行時間は1日か2日で、より長時間のフライトが可能な機体が求められていました。

アメリカ軍の要請を受けたMITのBeaver Works labがGPkitを使って機体をモデリングしたところ、当初予定されていた太陽光発電で飛ぶドローンでは、赤道から離れるほどに日照時間が減ること、冬季に発電効率が大きく落ちることなどの問題があることから、災害救援の目的に適さないことが分かったそうです。最終的にMITの研究者は、小さなガソリンエンジンを搭載するというオーソドックスな手法にたどり着き「Jungle Hawk Owl」が誕生したというわけです。

MITはJungle Hawk Owlを災害支援だけでなく環境モニタリングなど他の用途にも応用が可能だと考えており、数年以内の実用化を目指しています。