スマホ画面に指紋センサーを統合する技術、クアルコムが発表。水中読み取り、心拍・血流計測にも対応
現在開催中のMWC上海において、Qualcommがディスプレイ下に搭載する、新しい指紋センサ技術を発表しました。

発表されたQualcomm Fingerprint Sensorsは「for Display」と「for Glass and Metal」の2種類。

「for Display」はその名の通りディスプレイ下に配置する指紋センサで、最大で厚さ1200μmのOLEDディスプレイに対応します。Glass and Metalは主にスマートフォンの背面への搭載を想定したもので、厚さ800μmまでのカバーガラスと650μmまでのアルミの下で利用できます。この種の指紋センサー、従来は400μmまでの厚さにしか対応していなかったとのことで、飛躍的に対応厚が増しています。

指紋の読み取りは、どちらも超音波センサを活用。超音波を利用した指紋センサは、以前、Snapdragon Sense IDとして発表していましたが、今回のQualcomm Fingerprint Sensorsはこれの次世代版となります。「for Display」「for Glass and Metal」ともに水中での指紋の読み取り、ジェスチャー操作、心拍数や血流の測定に対応します。

Qualcomm Fingerprint Sensorsは最近発表されたSnapdragon 660、630と互換があり、当然今後登場するSnapdragonプラットフォームが対応します。さらに、Snapdragon以外のチップセットでも利用できるとのことです。

for Glass and Metalは今月中にOEMに提供開始され、搭載製品は2018年前半にリリース予定。for Displayのほうは、OEMへの提供が第4四半期になるため、搭載製品は2018年後半〜2019年を待つ必要がありそうです。

ディスプレイ下に搭載する指紋センサは、SamsungやAppleでも採用が噂されていますが、Samsungは9月に発売予定のGalaxy Note 8ではGalaxy S8同様に背面に指紋センサを搭載し、ディスプレイ埋め込みは来年のGalasy S9に持ち越したと伝えられています。一方、こちらも9月発表が予想されているiPhone 8は、ディスプレイに埋め込むという予想が主流なものの、技術的な問題から背面に搭載されるのではという話も聞こえてきます。

このタイミングでの発表は、起訴合戦を繰り広げているAppleに対する牽制の意味合いもあるのかもしれません。

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