北朝鮮に「塩」が贈られている現実

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 北朝鮮が軍事的な挑発行為に出る度に、安保理を中心に国連は「非難決議」を表明し「制裁策強化」を発表している。中国を通した外交に「関係悪化歯止め/小康状態堅持/改善への道筋」を託してきた米国トランプ政権はいまや、「トランプ大統領量の気持ちを忖度する」とまで称されるニッキー・ペイリー米国連大使の言葉を借りれば「北朝鮮に味方するか米国に味方するかのどちらかだ。北朝鮮に物資や支援を提供する国を、米国は糾弾する」と公言してはばからない。

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 言い方を変えればいま、北朝鮮が何かを一発撃ちあげるごとに「制裁度」は日増しに高まっていく状況にある。だが厳密に言えば北朝鮮も「一国」だけでは生きてはいかれないのは事実。それだけに(結果として、を含み)北朝鮮を「支援している国」はどこなのか、興味深さを覚えるのは私だけだろうか。

 『貿易』―「中国を通した」が物語るように、北朝鮮の兵糧(貿易)を支えているのは中国。2006年に北朝鮮が1回目の核実験を行って以来、制裁強化という流れの中で「漸減傾向にある」とは言われる。北朝鮮の昨年の対外貿易は約7250億円。そのうち、相手国の9割を中国が占めている。

 『外交』―関係の有無を即「支援云々」とするのは余りに「無理が通る」ことになるが、建国(1948年)69年目の今年で北朝鮮が外交関係を樹立しているのは164カ国。そして北朝鮮は47カ国に大使館を配し、うち24カ国が北朝鮮に大使館を有している。重箱の隅論の誹りを覚悟で記すと「在北大使館運営」に使われる支出は、「北朝鮮への現金(外貨)の供給源」となる。更には外交関係を結んでいる国のうち「50カ国余りで最大6万人の北朝鮮人が働いている」(韓国外務省推計)。こうした出稼ぎ労働者は年間で20億ドル前後稼ぐという。そして国連によると「そのうち3分の2から9割方の額が北朝鮮に送金されている」という。

 『北朝鮮レストラン』―制裁条項の一環として「使用を避けるべき」という国連の呼び掛けで「2013年の130店前後から減っている」(ブルームバーグ)とされるが未だ十数カ国で約100店の北朝鮮レストランが運営されている。外貨稼ぎの一方策とも捉えられる。

 世界を敵に回している感が強い北朝鮮だが、隅々で兵糧支援を受けている。