「返還20周年」のバナーが掲げられる香港の街中、6月27日撮影。習近平中国国家主席が6月29日から7月1日まで訪港する(ANTHONY WALLACE/AFP/Getty Images)

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 今週土曜日の7月1日、香港は中国返還20周年を迎える。中国政府系メディアの新華社通信は25日、習近平国家主席は6月29日から7月1日までの日程で香港訪問すると発表した。習主席は香港滞在中、「返還20周年記念式典のほか、香港特別行政区次期行政長官・林鄭月娥氏の就任式にも出席し、行政区を視察する予定だ」という。これは、習近平氏が国家主席に就任後、初の香港訪問となる。

 香港各界は来訪する習近平氏に対して、「もとの形を失わずに、もとの形を変えずに」の下で、「一国二制度」で保障される高度の自治を維持していくよう強く呼び掛けた。

 また、香港保安局の黎棟国局長はこのほど、各国で容疑者一人でのテロ行為が目立っており、当局は返還20周年の重要イベント期間内において、高度な警戒態勢を維持していくとした。このため、現在香港はすでに厳戒態勢が敷かれ、緊張したムードが漂う。中国人民解放軍の空母「遼寧」も香港に初寄港する予定だ。

初となる習氏の香港訪問 最高級の反テロ厳戒態勢へ

 中国当局は、習国家主席の香港訪問に関して機密的に調整を行ってきた。訪問スケジュールの確定と発表は、2003年温家宝元首相が香港訪問した際より1日早く行われた。

 香港メディアによると、習主席は現地時間29日昼頃に香港に到着し、同日夜梁振英・行政長官が主催する晩餐会に参加。30日午前には駐香港の人民解放軍基地を視察し、午後に香港の政治・経済界と一部の立法会議員と会見する。30日夜、各界有名人と食事会。7月1日午前、習主席は返還記念式典に出席し、次期行政長官の林鄭月娥氏の就任宣誓式を執り行い、午後には世界最長クラスの港珠澳大橋などを視察したのち、北京への帰路に就く。

 彭麗媛夫人はその期間、香港の老人介護施設や幼稚園などを訪問する予定。

 香港保安当局と警察当局は、習主席の訪問中の香港安全保障レベルを最高級の反テロ厳戒態勢に引き上げた。地元メディアによると、当局は警察官全員に対して28日〜2日までの休暇申請を認めない方針だ。警察当局は、機動部隊や特別警務部隊である衝鋒隊などを合わせた8000人規模の精鋭部隊を投入する。今月12日と19日、警察当局はこの精鋭部隊で反テロ演習を行った。

富豪・李嘉誠氏 法治の廉潔さを呼び掛ける

香港富豪の李嘉誠氏(大紀元)

 香港富豪の李嘉誠氏はこのほど、新華社通信の取材に応じた際、習近平国家主席が過去「一国二制度」に関して述べた「揺るがさず、もとの形を失わず、もとの形を変えずに」を引用して、同発言は中国当局が「一国二制度」を堅持していく強い決心だと評価した。李氏は、同時に香港当局が法治や廉潔さを維持していく必要があると指摘。両者が相補って、「一国二制度」の精神がはじめて発揮できると、李氏が主張した。

 李氏は、香港経済は本土と密接に関係しており、「衣食住・交通や香港の金融センターとしての役割は『一国二制度』の中で反映されている」ため、中国当局が同制度の維持を約束していれば、香港市民は多くの難題を解決できると強調した。

民主派「一国二制度」の維持を望む

 

 習近平国家主席が香港滞在中、民主派議員も含む立法会議員と会見する予定に関して、民主党の胡志偉主席は大紀元に対して、「まだ招待されていない」とした。胡主席は、もし習近平国家主席と面会する機会があれば、「一国二制度」の維持と高度の自治を強く訴えていくとの考えを示した。

 また公民党党首の楊岳橋氏も、習氏との会見に関する招待状が届いていないと話した。楊氏は、現在の香港では、「一国二制度」に関する「もとの形を失わず、もとの形を変えずに」との基準がすでに変化した。「今、一部の人や一部の政府機関が、中央当局の名義を借りて、香港の高度の自治を破壊していることに、最も危惧している」と話した。楊氏は、「一国二制度」を保障する「基本法」に対して、当局が数回も解釈を行ったことは、香港法治に大きな害を与えたとした。

 立法会前主席の曽諐成氏は、習近平国家主席が民主派議員らと会談できるなら、香港の安定に有利だと話した。

 民主派団体の「民間人権陣線」は7月1日に大規模なデモ行進を予定している。同団体はデモを通じて、香港滞在中の習近平国家主席に対して、政治改革の再開、民主化運動を規制する「基本法23条」立法の取りやめなどを呼び掛け、香港市民の声を届けたいとしている。

(つづく)

(記者・林怡=香港、翻訳編集・張哲)