なぜ福岡は「スタートアップ都市」を目指すのか

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2012年、テクノロジーとクリエイティブをテーマにしたイベント「明星和楽」の壇上で「スタートアップ都市宣言」を行った高島宗一郎市長。モデルは米シアトル。日本からマイクロソフトやアマゾンを生み出すには。

ーなぜ福岡は、「スタートアップ都市」を目指したのですか。

市長に当選したばかりの頃、シアトルを視察したことがきっかけでした。なぜシアトルという福岡市の半分程度の人口の街に、マイクロソフトやアマゾン、スターバックスといった企業が生まれたのか。その視点で街を見たとき、「居住エリアと都市エリアが明確に区分されたリバブルな港町」という条件が福岡市とダブって見えたのです。
 
福岡は物価も安く、住みやすい都市です。市内に大きな川がないために工場がなく、第三次産業に特化してきた歴史もある。地形的な弱点を抱えているからこそ、知識創造型の産業や人をいかに抱え込むかが、街の生命線だったわけです。

しかし、福岡は長らく東京の「支店経済」であり続けてきました。その課題を乗り越えるには、暮らしやすさとビジネスを結び付け、新しい価値を生み出すことが必要だと考えました。
そこで短期的には交流人口の増加、中期的には知識創造型産業の集積、そして、長期的には「スタートアップ都市」を目指すことを掲げたのです。

ー市長が担う役割はどこにありますか。

スタートアップ支援策を進める前に、「宣言」を行ってムーブメントを起こそうとしたことにあるでしょう。私が明星和楽に出演するのも、スタートアップのイメージを「カッコいいもの」にしたいから。彼らは新しいビジネスをつくり出すために大きなリスクを背負っています。

政治の役割はそれを支える社会を作ること。私は彼らと新しい時代をつくる同士という感覚を持ちながら、チャレンジする人が尊敬される街をつくりたいのです。

ー「スタートアップ都市」までの道のりはどこまで進んでいますか。

まだ2合目といったところでしょうか。いまは広がった裾野の上に高い山を築こうとしている段階。そのためには、「とがりまくること」が大切だと思っています。福岡にいながら、ニューヨークにも拠点を持つ「ヌーラボ」のようなロールモデルをもっと輩出できるよう、支援を続けていきます。

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高島宗一郎◎1974年、大分県生まれ。大学卒業後、九州朝日放送に入社、アナウンサーとして朝の報道番組などを担当。2010年に退社後、36歳という若さで福岡市市長選挙に出馬し当選。14年に再選を果たす。