「ライズボールはシャレにならない」とつづったロイヤルズのドリュー・ブテラ【写真:Getty Images】

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女子ソフトボール選手のパーカーさん、MLB始球式の練習で「ライズボール」披露

「衝撃の魔球」だ。米女子ソフトボール選手が、現役MLB捕手をのけぞらせ、キャッチできないほどの剛速球を披露した。その一部始終を米メディアも動画付きで紹介。プロも思わず「シャレにならない!!!」と振り返るほどの投球に、映像を見た世界のファンから「信じられない」「印象的かつ衝撃的だ」と感嘆の声が挙がっている。

 話題の主役となったのは、オクラホマ大のソフトボール部でエースとして君臨するペイジ・パーカーさんだ。

 カンザスシティのインディペンデンス出身のパーカーさんは、6月20日に地元のカウフマン・スタジアムで行われたカンザスシティ・ロイヤルズとボストン・レッドソックス戦の始球式に登場。試合前に練習を行ったスタジアム内のブルペンで、まさかの出来事が起こったのだ。

 27日(日本時間28日)にオクラホマ大が公式ツイッターで公開した動画では、左利きのパーカーさんがロイヤルズの捕手ドリュー・ブテラ相手に、練習投球をする様子が収められている。「行くわよ」とソフトボールと同様に下手投げで放たれたボールは、ホームベース手前で急激に上昇。ソフトボール特有で、“魔球”とも呼ばれる「ライズボール」は、普段、MLB投手の160キロ近いボールを受けているブテラもでもキャッチできなかった。

 あまりの変化にボールを取りそこない、後方にひっくり返りそうになったブテラ。それを見守っていたチームメイトたちも騒然とした。その後、ブテラは恥ずかしさを隠すように、笑いながらビデオを消すよう指示して練習は再開。2球目はやや引け腰になりながらも、プロの意地を見せて何とか捕球したが、見慣れないライズボールの衝撃にギャラリーからは「なんてことだ!」という声が飛んでいる。

キャッチャーを務めた捕手ブテラも思わず感嘆「彼女は最高だ!!!」

「ロイヤルズのブテラ捕手がオクラホマのエース、パーカーの捕球を試みる」と特集したのは、カンザスの地元紙「ザ・カンザスシティ・スター」だ。

 大学3年生のパーカーさんが、チームでは通算133試合の登板で92勝15敗、防御率1.58、完封29回を記録していることに触れながら、「懐疑的な目を向ける観衆を魅了した」と言及。「夢のようでした。選手たちに会えるなんて、子供の頃の夢が叶ったようです」というパーカーさんのコメントを報じている。

 記事によれば、「この動画が見られることを望んでいない」とされるブテラだが、27日に動画を引用する形でツイッターを更新。「素晴らしい体験だった。彼女は最高だ!!! ライズボールはシャレにならない!!!」とつづった。

 瞬く間にファンの間にも反響は広がり、SNS上では様々なコメントが飛び交っている。

「信じられない」

「彼女の球を捕るのは至難の業だ」

「12回は見た。このインパクトは色あせない」

「レッドソックスが彼女を契約することを望む」

「彼女はまだフルスピードで投げていない」

「印象的かつ衝撃的だ」

 NCAAの全米選手権で頂点に立ったのに続き、瞬く間に世界中の注目の的となったパーカーさん。大きな反響はもうしばらく続きそうだ。