千代田の祭 川せがき

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花火の研究や花火大会のプロデュースも行うハナビスト・冴木一馬。国内外の花火に精通し、花火師の資格まで取得している花火のスペシャリストが厳選した10大会を紹介しよう。

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■ 日本の花火の原点に通じる納涼花火

花火の発祥は「大川の川開き」(大川とは、江戸時代における隅田川の吾妻橋付近より下流の名称)に始まると言われ、亡くなった人を弔うために始められたのがきっかけになっています。そこで今年は、イベント志向が強くなってきている近年の花火大会とは趣きの異なる、昔ながらの納涼花火を開催しているところを紹介します。(ハナビスト・冴木一馬)

■ 千代田の祭 川せがき(群馬県) 2017年8月18日(金)開催

明治の前半、豆腐屋に奉公に来ていた倉吉が利根川に投網に行って誤って水死してしまい、当時の豆腐屋の主人が光恩寺の住職に頼んで供養したのが始まりとされています。その後、村の住民が参加して水難事故の犠牲者を一緒に供養するようになり、「赤岩の川施餓鬼」と言われるようになりました。昭和に入って祭りとして発展していき、平成6年から「千代田の祭 川せがき」に改められ、現在に至っています。

■ 大子町花火大会と灯籠流し(茨城県) 2017年8月14日(月)開催

安産祈願のお地蔵さん「大子地蔵尊」の縁日に、灯籠が流され、花火が打ち上げられます。灯籠流しは大正の終わりから、花火の打ち上げは昭和初期からと歴史があります。

■ 千日会観光祭(京都府) 2017年8月9日(水)

如意寺の「この日に参ると千日分のご利益がある」という千日会にちなんだ祭りで、灯籠流しを合図に、大文字の点灯、打ち上げ花火が行われます。

■ 箱根強羅夏まつり大文字焼(神奈川県) 2017年8月16日(水)開催

大正10年から続く、孟蘭盆の送り火でもある伝統行事。大の火文字と花火の競演。ナイアガラの滝が大の火文字の下に浮かび上がります。

■ 飯田時又灯ろう流し(長野県) 2017年8月16日(水)開催

精霊供養と平和への祈りをささげる読経が厳かに流れる中、川面に揺れる灯ろうのあかりと、夜空にひろがる花火が織りなす幻想的な風景が見られます。

■ 熊野大花火大会(三重県) 2017年8月17日(木)開催

熊野大花火大会の起源は、お盆の初精霊供養に簡単な花火を打ち上げ、その花火の火の粉で灯籠焼を行ったのが始まりといわれ、現在も行われています。

■ 山鹿灯籠まつり納涼花火大会(熊本県) 2017年8月15日(火)開催

山鹿灯籠の起源は、今から2000年前の弥生時代に菊池川一帯に立ち込めた深い霧に阻まれた景行天皇のご巡幸を、山鹿の里人が松明を掲げて迎えたことに由来するという、歴史ある祭りです。

■ 諫早万灯川まつり(長崎県) 2017年7月25日(火)開催

昭和32年(1957年)の諫早大水害はで亡くなられた630人の犠牲者の冥福を祈り、防災の誓いを新たにするため、毎年7月25日に諫早公園前の本明川河川敷一帯で開催されます。

■ 第68回とうろう流しと大花火大会(福井県) 2017年8月16日(水)開催

とうろう流しは、戦没者・先祖の霊を慰めることを目的として、戦後間もない1950年(昭和25年)に開始されて今年で68回目を迎えます。現在でも市民は故人や戦没者の慰霊のためにとうろう約6000個を流しています。

■ 水郷大江夏まつり灯ろう流し花火大会(山形県) 2017年8月15日(火)開催

最上川の水難者を供養するための精霊流しに端を発した灯ろう流しは、今では合格祈願や家内安全など思い思いの文字や絵を書き込んで流されます。

ハナビストならではのチョイスを参考に、この夏の花火大会を満喫しよう。【ウォーカープラス編集部】