韓国の北朝鮮専門メディア、ニューフォーカスが、中国当局が北朝鮮労働者の入国を制限し始めたと、北朝鮮国内の情報筋の話を引用して伝えている。

この問題を巡っては、日本経済新聞が17日付で、中国当局が一部の国内企業に対し北朝鮮労働者の雇用を停止するよう指示したと報じていた。北朝鮮の4回目の核実験に対する国連安全保障理事会の制裁決議を受けて、中国当局は昨年3月から、主に遼寧省と吉林省の企業を対象に北朝鮮労働者の雇用停止を非公式ながら指示している。

ニューフォーカスによれば、入国制限の最初の標的となったのは、吉林省長白朝鮮族自治県と北朝鮮・両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)市だ。

国境を流れる鴨緑江を挟んで向かい合う両都市は、水源地や水道システムの一部を共有している。北朝鮮の恵山水道暖房事業所は、毎年中国の長白県で下水と水源地の水路の補修工事を行うなど、中朝両国が共同でメンテナンスを行ってきた。

今年は、鴨緑江の氷が溶けた4月末から工事が始まった。ところが、6月中旬から、北朝鮮の労働者が中国に入国できなくなってしまい、工事は中断している。

冬季には極寒と積雪により、水源地付近の水の流れが変わってしまう。そのため、水路の補修は水道システムの維持に欠かせない工事だ。中国当局は、制裁を誠実に履行しているというアピールを国際社会に行うためなら、長白県の住民の生活に支障が出ることもやむを得ないと見ているのだろう。

中国当局は昨年4月、両都市の貿易を中断させ、甲山(カプサン)、恵山鉱山の鉄と銅の輸入を禁じた。また国境警備を強化し、民間人が密輸を行えないようにした。北朝鮮側の住民にとってみれば、国からの配給が途絶えている上に、密輸もできなくなったわけだ。

情報筋はこのようなことは今まで一度もなかったとし、恵山市民の間では「中国の様子が以前と違う」「このままでは『第2の苦難の行軍(大飢饉)』が到来するのではないか」と不安心理が広がり、金正恩政権を露骨に非難する声が上がっているという。