「デート」に使える外食チェーン店の条件

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木村和久の「プロオヤジ宣言」。第5回のテーマは「デートに使える店」。恵比寿や六本木といった「オサレ」な街で、女性をチェーン店に連れていってもいいのか。木村さんは「使える店は十分にある」といいます。おすすめは「回転ずし、串カツ、うどん屋」。その理由とは――。

■「男女の食事」と「デート」の違い

最近の外食チェーンは、演出が巧妙になり、1ブランドが大量に店舗を広げる形態は、少なくなっています。どこぞの街に昭和の頃からある、小さな食堂みたいなレトロ感を演出したりと、凝っていることが多いのです。だから、どこで運営しているのか、皆目見当がつきません。

今回は、あからさまなチェーン店から、運営元が分かりにくい、ステルス系の店まで含めて、チェーン店の良しあしを、述べたいと思います。

まず「デート」で使うテーマですが、「男女の食事」と「デート」は、何が違うのでしょう。それは、食事後の秘め事をするか、あるいはそういう可能性があるかが、鍵といえます。ですから飲食する街に、ステイできるホテルがあるかないか、それがデートの判断材料になります。その施設を使うか、使わないかは、あくまで別の話ですけどね。

次にデートメシをするのは、舞台装置として、オサレな街が多いです。今回は、個人的によく行っている恵比寿と六本木を舞台としますが、両方の街ともゴハンに行こうと誘われれば、女性も「これはただの食事ではない」と、気づくでしょう。もちろんステイ場所も沢山ありますから。

デートとして使う店は、一風変わっているほうがいいでしょう。ありきたりのチェーン店、ワタミとか牛角とかは、安心でおいしいですが、日常感が漂います。そう考えると、デートは「非日常感」をいかに演出できるかが鍵です。

ちなみに料理ですが、そこそこ食べれれば、問題ありません。人間どの欲でも満たされると、次の行動を起こしたがらないのです。おいしい食事だと、そこで満員札止め状態になり、「口説く」行為にたどり着けるかどうか、いささか疑問です。

■ダイヤモンドダイニングの非日常感

チェーン店でデートに適しているといえば、なんと言ってもダイヤモンドダイニング系のレストランの数々です。当初のコンセプトは、100店舗、まったく違った店作りをするというもので、非常に斬新な店作りを展開してきました。最近100店舗達成以降は、さすがに違う店は作れなくなり、ややチェーン店化していますが、それでも客の満足度は高いようです。しかもゼットンなどの、有名外食企業を買収。2017年2月期の売上高は305億円、店舗数は281店、従業員数は4481人。最強のチェーンになりつつあります。

そもそもダイヤモンドダイニングは、他のチェーン店より、客単価は若干高め、その分、テーマレストランとして「戦国武勇伝」「幻想の国のアリス」「キング・オブ・ザ・パイレーツ」のように、凝った演出を施している店が、多数あります。もちろん店舗数が多いので、ただの居酒屋に見える店もあります。ホームページなどを見て、よさそうなのを吟味するのが大事かなと。

とりあえずダイヤモンドダイニング系は、卒がないということで、まとめさしていただき、さらなる冒険の旅にでかけましょう。たくさんの企画レストランをゲリラ的に出すチェーン店としては「際コーポレーション」のほうが、ダイヤモンドダイニングより、先輩格です。こちらも売上高305億円、直営飲食店308店(いずれも2015年10月末)の、巨大外食チェーンになっています。

■高級回転ずしの「ぴんとこな」

六本木でオススメは、六本木ヒルズ内にある高級回転ずしの「ぴんとこな」です。まずもって、「デートに回転ずしかよ〜」という意外性がウケます。最初女性は、「私をナメてんのか」的反応をしますが、行ってみると外国人の多さにびっくりし、さらに某大リーガーが、ご愛用と言われると、ひょっとしてセレブ御用達なのと、小躍りします。ここは確かに回転ずしですが、直接注文をする人が多いです。すしネタは、ロードサイドの回転ずしに比べれば、雲泥の差。回転ずしでは、最高の部類に入るでしょう。

回転ずしだからこそ、カウンター越しに、大将に気を使って、冗談言うなんてこともないし。お値段も、ふたりで1万円はしませんから。ただ食いに走ってしまうと、次の展開が厳しい、さっさと食べてバーに行くか、あるいはここで結構お酒を飲むか、見極めが難しいところです。

チェーンのこじゃれた店での、デートは飽きた方には、「串カツ田中」がオススメです。店舗は六本木と恵比寿、中目黒にありますから、地の利は十分です。

串カツ田中の何がすごいかって、どっからどう見ても、頑固なオヤジがやっている、朽ちかけた串揚げの店にしか見えないところです。まさか全国展開している上場企業の店とは気づきません。

■「串カツ田中」実は世田谷が発祥

串カツ田中は、創業7年で上場を果たした、成長企業です。8年前、創業者と副社長の田中さんは外食産業をやってて、ぱっとせず。店をたたもうかと後片付けをしていたら、田中さんの父の作った、串カツレシピが出て来た。試しに作ったらうまい。これが最後のチャンスとやったら大当たりをした、サクセスストーリーは感動ものです。

大阪が本拠地と思うでしょうが、実は世田谷が1号店、そして六本木、恵比寿、中目黒、三軒茶屋などの高感度エリアに集中出店、これが当たったのです。

店のロゴは、白のカーテン地に黒文字で、手作り風。店内には赤や黄色の提灯が吊るされ、チープ感が漂います。これはわざと庶民感を出しつつ、窓ガラスを広めにして、入りやすくしているのです。

メニューで面白いのは、ポテトサラダを頼むと、すり鉢に芋とゆで卵とマヨネーズと香辛料が入ったものが出て来て、自分ですりこぎを回す仕組みに。ポテトサラダを作ってくれないの? いえいえ、自分で作るからこそ、好きな粒加減を調整できるのです。店側も調理の手間が省け、一石二鳥。この逆転の発想にはびっくりです。

そして手作りをさせる代わりに、料金は安め。客単価2400円は驚異的です。この後、中目黒のセンベロ(1000円でたらふく飲み食いしベロベロになる)居酒屋の「晩杯屋」に行けば、もうヘブン!状態。こういうノリを楽しんでくれる、きれいな女性いませんかね。ぜひともエスコートしたいです。

■「カルボナーラのおうどん」

チェーン店デートはちょっとした工夫で、いかようにもなります。六本木のうどん屋、「つるとんたん」も、一世風靡をした店です。

うどんは3玉まで無料。「カルボナーラのおうどん 1480円(税込み)」とかは、もはやうどんなのか?  若いコに大ウケです。もちろんデートでは、コース料理もあり、それを予約すれば十分楽しめます。運営は「カトープレジャーグループ」で関西系。ここの社長は30年ぐらい前から、こつこつレストランやリゾートを増やしてきて、今や大企業に。

お値ごろデートメシを運営する企業は、どこも創意工夫を凝らして、お客を楽しませることを、第一にやっています。さあ、今度はあなたの番、そういう店の力を借りて、彼女を楽しませてあげましょう。

(コラムニスト 木村 和久)