安達健祐・商工中金社長は、6月9日に経済産業省などに業務改善計画を提出。その一環として、数字目標による業績評価の停止を決定した Photo by Takahiro Tanoue

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 全ての営業ノルマを停止する──。中小企業を対象とした、政府系の金融機関である商工組合中央金庫(商工中金)が、不正融資問題の渦中で異例の事態に追い込まれた。

 この問題とは、災害や金融危機によって業績が悪化した企業を国が支援するための制度である「危機対応業務」において、商工中金の職員が不正な融資を繰り返していたというもの。企業の財務諸表を改ざんして、本来ならば対象外となる企業にも融資を行い、実績をかさ上げしていたのだ。第三者委員会の調査によって、すでに760件もの不正が発覚している。

 元凶は、職員に課された事実上の営業ノルマ。本部で設定した数字目標を支店に割り振っていたが、制度に対する実需を上回る数字を持たされたところもあり、「過大なプレッシャーとなっていた」(安達健祐・商工中金社長)という。

 そのため、数字による評価を停止し、本部主導ではない評価項目を導入することにした。ところが、その中身は実にお寒いものだ。

 というのも、代わりの評価項目は、支店ごとに自主的に目標を設定させるというからだ。つまり、本部が支店に評価設定の中身を“丸投げ”したかたちで、支店には困惑が広がっているという。

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