地球温暖化による気温の上昇のペースが加速化しており、気候変動や海水面上昇、食糧不足、熱波などさまざまな要因によって人類に深刻な被害が出るという指摘があります。大きな被害が出るとされる境界線の気温カ氏95度(セ氏35度)以上の日が1年にどれくらいの頻度であるのを図示することで、全世界レベルで危険な状況にあることがよくわかります。

95-Degree Days: How Extreme Heat Could Spread Across the World - The New York Times

https://www.nytimes.com/interactive/2017/06/22/climate/95-degree-day-maps.html

気温がカ氏95度(セ氏35度)以上に上昇すると、農作物の大きさが小さくなり収穫量が減り、エアコン使用が増加することで電力需要が発電量に追いつく可能性があるなど、さまざまな弊害があることが知られています。

左のグラフはアメリカ・カリフォルニア州の電気使用量の変化を示したもの。カ氏65度(セ氏18.3度)の日の電気使用量を基準にすると、気温が高くなるにつれてエアコン使用が増えることで電力使用量も急激に増えていくのが分かります。右のグラフは温度とトウモロコシの収穫量の変化を示したもの。カ氏32度(セ氏0度)を境に、温度が高くなると急激に収穫量が減少することが分かります。



Climate Impact Labのデータに基づいて、1年間に気温35度以上の日がある頻度に応じて地図に色を付けて1986年から2099年までの期間別に作成すると以下のようになります。



気温35度以上の日が100日を超えるエリアは、赤道を中心に今後も広がり続けることがよくわかります。注意すべき点は、上の地図データは気候変動の世界的枠組みであるパリ協定で定められた基準に従って、各国が温室効果ガスの排出制限を遵守した場合のものであるということ。すでにトランプ政権下のアメリカがパリ協定からの離脱を宣言するなど、パリ協定の枠組みが今後も維持されるのか先行きが不透明な状況にあることを思えば、「楽観的なシナリオ」と言えなくもないケーススタディだというわけです。

なお、このデータでは、アメリカ・ワシントン州では、1986年から2005年の間、35度以上の日の年間平均日数は7日でしたが、2099年には年間平均で29日になると考えられています。

これに対して、各国が地球温暖化対策を採らない場合にどうなるのかを示す地図データが以下のもの。



パリ協定遵守のケースと比較するために、ワシントン州における35度以上の日の年間平均日数は、74日にもおよび実に1年の5分の1以上が酷暑になると推測されています。

カリフォルニア大学バークレー校のソロモン・シャンシャン教授は、「気温上昇の話をすると、多くの人が『海水浴できる日が増える』と考える傾向にあります。しかし、これまでそれほど注目されてきませんでしたが、気温上昇に伴って酷暑の日が増えることで、考えもつかない悪いことがあらゆる方面で起きて生活をゆがめることができるのです」と述べています。なお、近年、気温が上昇するにつれて犯罪や紛争が起きるペースがどう変わるのかを科学者は研究しているそうです。