Appleが、眼の動きをトラッキングする眼鏡およびシステムを開発する、ドイツのSensoMotoric Instrumentsを買収した模様です。

ペーパーカンパニーを経由した買収

米メディアMacRumorsが入手した文書によると、去る5月2日、Appleの会社法部門副社長ジーン・レボフ氏が、米デラウェア州を拠点とするペーパーカンパニー「Vineyard Capital Corporation」の社長として、ドイツの法律事務所Hiking Kühn Lüer Wojtekに、SensoMotoric Instrumentsの買収に関するすべての手続きを委任していたことがわかりました。
 
そして6月16日、SensoMotoric Instrumentsは、ドイツの会社登記に合併に関する複数の文書を提出しています。またSensoMotoricの代表取締役社長に、Vineyard Capitalの代理を務めるドイツの法律事務所の弁護士が新たに就任した、とMacRumorsは伝えています。
 
Appleはこれまでも、ペーパーカンパニー経由での買収を行なうことにより、買収の事実を公にしない手法を取っています。

Axiosに対し買収を認める

SensoMotoricはこのほど自社のWebサイトを更新し、製品に関する詳細な情報を記載したページを大量に削除したようです。MacRumorsによれば、求人ポータル、ニュースブログ、イベント及びワークショップのカレンダー、連絡先、ディストリビューターや取扱店一覧、メーリングリストの申し込みフォームなども削除されています。
 
AppleはMacRumorsの記事掲載ののち、Axiosに対し、買収の事実を認めています

多種多様なアイトラッキング技術を開発

1991年創業のSensoMotoricは、眼の動きを追跡するさまざまなハードウェアおよびソフトウェアを開発しています。用途は仮想現実/拡張現実(VR/AR)、車載システム、医療リサーチ、認知トレーニング、言語学、神経科学、体育、生体力学、心理学と多岐に渡ります。
 
同社のEye Tracking Glasses(眼の動きを追跡する眼鏡)は、ユーザーの自然な眼の動きをリアルタイムで追跡、最高120Hzのレートでサンプリングします。これはたとえばアスリートがより正確に球の動きを追えるよう訓練するケースにも利用できる、と説明されています。
 

 

SensoMotoricはまた、VRヘッドセット向けのアイトラッキング技術も開発しており、着用者の眼の動きを解析し、VRにありがちな乗り物酔いの症状の軽減にも活用されています。
 

 
Appleは以前より、独自のスマートグラスを開発中と噂されているほか、今秋発表予定のiOS11ではARアプリ開発を目的としたARKitも導入しており、今回の買収もスマートグラスやAR開発を見据えたものと考えられます。
 
 
Source:MacRumors
(lunatic)