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「コレってどうなの?」がわかる。気になるデジタルグッズの深堀りレビュー。今回は、Astell&Kernのポータブルオーディオ『Astell&Kern KANN』を使い倒します!

Astell&Kern

Astell&Kern KANN

実勢価格:12万9980円



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【SPEC】

サイズ:約W71.23×H115.8×D25.6mm 重量:約278g 内蔵メモリ:64GB フラッシュ 外部メモリ:microSDカードスロット(SDHC/XC最大256GB)、SDカードスロット(SDHC/XC 最大512GB) 本体収録可能曲数:約2470曲(FLAC 44.1kHz/16bit) 連続再生:約15時間(FLAC 44.1kHz/16bit) 対応ファイル形式:WAV、FLAC、MP3、WMA、OGG、APE、AAC、ALAC、AIFF、DFF、DSF 対応OS:Windows 10、8/8.1、7、XP、Mac OS X 10.7以上

『Astell&Kern KANN』ってどんなプレーヤー?

アンプ内蔵で利用シーンが広がるハイレゾ対応ポータブル



2012年、“原音忠実再生”をコンセプトとした『AK100』が登場。192kHz/24bit音源の再生を可能にしたこのモデルを嚆矢(こうし)として、Astell&Kernは瞬く間にハイレゾ対応ポータブルのカテゴリーを牽引する存在となる。

これまで、同ブランドのハイエンドポータブルオーディオは、その頭文字を取った「AK」+数字でモデル名としていたが、新機種では従来と異なるルールを適用。製品名を『Astell&Kern KANN』(以下KANN)とし、従来とは違うポジションに位置づけている。

「日本にいる多くの友人たちからフィードバックを得て製造したんだよ」

Astell&Kernを展開するiRiver社のCEOジェームス・リー氏がこのように説明する新モデルのキーワードは“More Fun”。DSD音源のネイティブ再生はもちろん、メモリを拡張できるデュアルSDスロットを搭載し、さらには外付けセパレートタイプに相当するアンプも内蔵。外出時にとどまらない、ポータブルオーディオの楽しみ方を広げてくれる1台である。

【美しいアルミのストライプボディ】



▲既存のラインナップとは異なるコンセプトで創出された外装デザイン。その象徴が背面の意匠で、凹凸のあるストライプボディは洗煉と耐久性を兼備。

【ずっしりとボリュームのある筐体】



▲約278gのボディはかなりの重量だが、台形の筐体とストライプの意匠によってグリップ力を高めているため、操作性は申し分ない。

『Astell&Kern KANN』の使いやすさをチェック



【やっぱり使いやすい物理キー】



▲既存のモデルにはなかった物理キーを本体前面下部に搭載。わざわざ画面を見なくても、再生/停止、曲送り/曲戻しが行えるのは、外出時には便利な仕様だ。

【調整がラクに行えるボリュームホイール】



▲ボリュームコントロールの搭載位置は従来と同様だが、形状を一新。本体の形状に沿うホイール形状となり、片手での音量調整を可能にした。誤動作が少なくなるのも利点。

【デュアルメモリーカードで容量拡張もOK】



▲底面にはmicroSDカードスロットに加え、SDカードスロットも装備。内蔵メモリと併せて最大832GBまで拡張できるので、大量の楽曲を携行したいユーザーは感涙必至!

『Astell&Kern KANN』の音質をチェック



【3.5mmに加えバランス出力も装備】



▲現行機種と同様、3.5mmのヘッドホン出力端子に加え、2.5mmの4極バランス出力端子も装備。バランス出力を使えばノイズの影響を受けにくい、高音質なサウンドを楽しめる。

【サウンドの明瞭感はさすが新世代モデル】



▲ハイレゾ音源の中でも高評価の、ショスタコーヴィチ『交響曲 第10番 ホ短調 作品93』(アンドリス・ネルソンス指揮)で試聴。音の瑞々しさとダイナミズムに驚嘆!

【ホームオーディオとつないでも大満足のサウンド】



▲3.5mm/3極と2.5mm/4極バランスの独立したライン出力端子を装備。ホームオーディオ・システムに接続して自宅でも高音質サウンドを堪能できる。

使い倒しインプレッション

アンプ内蔵で利用シーンがさらに広がったのは好印象



『KANN』を初めて手にした時に感じたのは「重い!」「デカい!」という印象。しかし、そんなネガティブイメージは、わずか数分後には払拭されることになる。

ファースト・インプレッションは、4月に行われた同モデルの発表会場だった。プリアンプにマークレビンソンの『No.52』、メインアンプに同じくマークレビンソンの『No.436L』、そしてスピーカーはJBLの『Project K2 S9900』という、トータル1500万円オーバーの組み合わせ。このシステムで再生されたサニーデイ・サービスの『恋におちたら』や『セツナ』は、我々はもとより、ミュージシャン本人も感嘆するほどのサウンドを放っていた。ハイエンドな装置と組み合わせても、それに屈しないほどの高いパフォーマンスを有していることが分かる。

当然、ポータブルオーディオとしてヘッドホンで試聴してもその実力は明らか。Astell&Kernの第2世代モデル『AK100供戮犯羈啝酊阿鮃圓辰燭、最も実感したのはサウンドのパワフルさ。音の圧力と広がりに大きな差が感じられたが、これは高性能なアンプを搭載していることが大きな理由だろう。内蔵バッテリーは6200mAhと大容量で急速充電にも対応。1時間の充電で約6・5時間の再生を可能とし、フル充電時には連続約15時間もの長時間再生を実現する。

また『KANN』には、独立したUSB Micro-B端子が装備されており、USB DACとして利用できる(最大PCM 384kHz/32bit、DSD 5.6MHz対応)のも、オーディオ・ファンには嬉しいポイントだろう。

Astell&Kernは、ハイエンドポータブルを牽引するだけに、デビュー当時からサウンドだけではなく、外装にも徹底したこだわりを貫いていた。もちろん、それは音質にも直結するからなのだが、その思想は『KANN』にもしっかりと継承されている。ストライプの意匠は、同ブランドにおいては新鮮な印象を与えつつも、耐久性にも配慮した設計で、それがサウンドにも表れるわけだ。12万円を超える価格は「安い」とは言えないが、室内外で幅広く高音質を堪能できるメリットを考えれば、決して高い買い物ではない。

結論

【ここが○】

・音の“空気感”を堪能できるのはハイレゾならでは。

・幅広い利用シーンを考えればプライスも納得。

・アルミのストライプボディがクールな印象。

【ここが×】

・持ち歩くには、もう少し軽い方が……。

前世代モデルを凌駕する

グッドサウンドが満足度を高める



音質をどこまで求めるかによって、このプレーヤー(というかハイレゾ対応プレーヤー)の評価は分かれるところだろう。しかし「少しでもいい音を!」と考えるなら、自宅でも外出時でも利用でき、かつグッドルッキングなプレーヤーがこの値段で買えることは驚異的だろう。



▲カラーはアストロシルバーに加え、6月からはイオスブルーもラインナップ。ここ数年のトレンドであるブルーを、オーディオ機器に採用したのも新鮮だ。

文/竹石祐三 撮影/下城英悟(GREEN HOUSE)

※『デジモノステーション』2017年8月号より抜粋

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