高校時代の宮治淳一と桑田佳祐に
扮した神木隆之介と野村周平 (C)2017 Tales of CHIGASAKI
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 熊坂出監督の長編最新作「茅ヶ崎物語 MY LITTLE HOMETOWN」が6月25日、神奈川県・茅ヶ崎市で開幕した第6回茅ヶ崎映画祭の特別招待作品としてワールドプレミア上映された。この日は熊坂監督と本編の“語り部”として主演した宮治淳一氏が舞台挨拶に立ち、祝福に駆けつけた茅ヶ崎市長の服部信明氏とともに、ファン約700人が固唾を飲んで鑑賞した。

 桑田佳祐と中学校時代の同級生で、「サザンオールスターズ」の名付け親としても知られる洋楽ポップスの一流プロモーター・宮治氏が、数々の音楽人・映画人を輩出し文化人ともゆかりの深い故郷・茅ヶ崎の芸能史を、自らの手で執筆・編纂するという作業を数年前から始めたことが、今作製作のきっかけとなった。昨年、親友・桑田が還暦を迎えるに際し、茅ヶ崎と芸能との関係性、その謎を探る映像作品を制作しプレゼントしようと思い立ったそうで、より多角的な視点を求め日本を代表する人類学者・中沢新一氏、「パーク アンド ラブホテル」で日本人初となるベルリン国際映画祭最優秀新人作品賞に輝いた熊坂監督に協力を依頼したという。

 舞台挨拶に出席した宮治氏は、チケットが完売したことに対し「嬉しい限り。僕みたいな素人が大それた映画に出させて頂いて……。でもまあ、出来ちゃったものは仕方がない」と感謝の念をにじませながら、笑い飛ばす。メガホンをとった熊坂監督は、茅ヶ崎に偏見を抱いていたそうで「ヤシの木が生えていて、ハイソなイメージがあったけれど、ヤシの木なんてどこにもなかった(笑)。もともと桑田さんだけが見るはずで作ったのですが、出来上がったものを見て公開されてしかるべき、皆さんに見ていただきたいと思いました」と自信のほどをうかがわせた。

 小倉久寛がナレーションを務める本編では、アースダイブという手法で茅ヶ崎の秘密を数万年規模でさかのぼる中沢氏への密着で幕が上がる。また、市民にとって心のよりどころともいえる烏帽子岩の誕生秘話や、毎年7月に行われる「浜降祭」の様子も紹介。中沢氏は、寒川神社はもとより幾つかの神社を訪問し、芸能との関わりを解き明かしていく。そして、宮治氏は茅ヶ崎の象徴といっても過言ではない加山雄三へのインタビューを敢行。加山が同所の魅力ととともに、桑田の歌声を初めて耳にした時の印象を語る貴重なひと幕もおさめられている。

 さらに後半パートでは、宮治氏にとって運命の分岐点となった1973年、桑田とのある出来事がドラマとして描かれており、若き日の宮治氏を神木隆之介、桑田を野村周平が演じている。さらに賀来賢人、村川絵梨、高橋優、須藤理彩、安田顕らが出演するなど豪華な仕上がり。なかでも野村は桑田になりきり、黒電話をつかんで「鎌倉学園の草刈正雄こと桑田佳祐です!」とまくしたてるシーンなど、場内の爆笑を何度も誘っていた。

 「茅ヶ崎物語 MY LITTLE HOMETOWN」は7月21〜23日、全国主要12都市15館で3日間限定の特別上映が行われる。上映館はユナイテッド・シネマ札幌、TOHOシネマズ仙台、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ新宿、イオンシネマ茅ヶ崎、横浜ブルク13、TOHOシネマズららぽーと船橋、ユナイテッド・シネマ浦和、ミッドランドスクエアシネマ(愛知)、TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば、TOHOシネマズ二条、TOHOシネマズ西宮OS、広島バルト11、T・ジョイ博多。