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 エアバッグのリコール問題に揺れるタカタが26日、民事再生法の適用を東京地裁に申請し、受理された。スポンサーはキー・セイフティー・システムズ(KSS)で、中国・寧波均勝電子の配下にあり、日本の自動車産業の中核サプライヤーが、実質的にホンダ系列から離れることを意味する。

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■また貴重な技術の流出

 タカタは問題を起こした硝酸アンモニウムを使った自動車用エアバッグ・インフレ―ター(ガス発生装置)で世界で優位を保ってきた。爆発力の強いインフレ―ターで装置の小型化が出来るが、ペレット状に固められた火薬がひび割れてしまうのを抑える技術を、各社は開発が出来なかった。タカタは技術的に開発に成功したとして永年使ってきたのだった。

 しかし、湿気と熱で劣化が進みひび割れが出来て、爆発力が異常に強まり部品を破壊して被害者を出す結果となっている。火薬は空気に触れる部分が多くなると一瞬で燃えるので爆発力が強くなってしまうのだ。爆発力を制御できなくなった状態だった。

 タカタは問題が報告されてからも「特殊なケースである」と否定し続けて、問題を拡大してしまった。この初動期の対応が企業の運命を決定づけたと言えるだろう。タカタ自身が技術を過信していた様相で、火薬の劣化は化学薬品であることから予想できたことであり、交換時期を決めるなど制度的な対策も必要であった。これは全エアバッグに言えることであろう。

■日本系列・下請け制度瓦解につながるのか?

 タカタのスポンサーはキー・セイフティー・システムズ(KSS)で、中国・寧波均勝電子の配下にある。これではシャープに続き、日本の貴重な技術が中華系の巨大サプライヤーに吸収されてしまうことになる。

 技術が企業買収と共に他国に流出してしまうケースでは、東芝の半導体事業で国防技術流出などの問題を起こしてしまっている。個人が持ち出すことは規制出来ても企業が持ち出すことは阻止できない。今後、日本の技術流出が続けば、日本企業の国際競争力を削ぎ、日本経済の弱体化を招くことだけは確かだ。

 またこの先には、巨大サプライヤーの支配が、日本独特の系列・下請け企業のピラミッドを崩すことになり、今問題となり始めているトヨタの存亡だけでなく、産業構造の瓦解を招く恐れが出てきている。日本は90%以上が「職人芸」の中小下請け企業で産業界が出来ていると見ておく必要があるのだ。