Tzido / PIXTA(ピクスタ)

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「分解スキル反復演習」の参加者から相談を受ける内容に、「メールでのアポイントメントの調整に時間がかかる」という意味のものがある。日程調整に時間がかかってしまったメールを拝見すると、調整ができぬままに何往復もメールのやりとりをしている。

 そして、それらのメール文章には、共通の特徴があることがわかってきた。その特徴とは、依頼した側も、依頼された側も、候補日時を示さないということだ。実例をみてみよう。

【依頼した側】
ミーティングを実施したいのですが、いつ頃がよろしいでしょうか?

【依頼された側】
来月あたりがよいです。

【依頼した側】
来月ですとどのあたりでしょうか?

【依頼された側】
来月の前半ですね。

【依頼した側】
月の第一週はいかがでしょうか?

【依頼された側】
来月の第一週はむずかしいです?

◆依頼者が具体的な日時を示せば解決するのか

 この例は、初めの依頼メールの際に、「○月○日はどうですか」というように具体的な日程候補を示せば、それに対して、是非の回答が得られたはずだ。

 次の実例のとおり、依頼した側が最初に示した候補日時の中で決めることができれば、一往復でスケジュールが決まる。最初に示した候補の日時の中で決まらなかったとしても、二往復で決まる可能性が高くなる。

【依頼した側】
ミーティングを実施したいのですが、以下の日時はいかがでしょうか
・7月4日(火)13時から15時、17時以降
・7月6日(水)午前
・7月7日(木)11時以前

【依頼された側】
7月6日(水)10時から11時でお願いします

 一往復で決まらなくても、具体的な候補日維を示せば、次のように、二往復で決まる可能性は高い。

【依頼した側】
ミーティングを実施したいのですが、以下の日時はいかがでしょうか?
・7月4日(火)13時から15時、17時以降
・7月6日(水)午前
・7月7日(木)11時以前

【依頼された側】
水曜の午後、木曜の午後が都合がよいのですが、むずかしければ、火曜日の17時から18時で調整しましょう。

 それでは、なぜこうした具体的な日程候補を示すことができないのだろうか?

◆押し付けがましいから日程候補を送れない?

 こうしたメールのやりとしをした依頼した人たちに、なぜ具体的な日程候補を示さなかったのかと聞くと、次のような答えが返ってきた。

○相手の都合もしらないのに、日程候補を示すことは失礼だ
○こちらからご都合をう伺うのだから、相手の都合を聞くのは当たり前だ
○相手が会ってくれるかどうかもわからない。だから漠然と聞くことがよい
○いきなり日程候補を示して、押し付けがましく思われ、返信自体がないことは避けたい

 要は、日程候補を示すということで、踏み込み過ぎないか、押し付けがましく思われないかという懸念により、漠然としたご都合伺いのメールになっているようだ。それでは、もし、具体的な日程候補を示すことができて、なおかつ、押し付けがましくないメール表現ができるとしたら、そのメール文章を試してみたいと思わないだろうか。

「分解スキル反復演習」では、そのメール文案の実際に使用している例を共有し合う。次に紹介するメール文案は、コンサルタントやトレーナーが頭の中や理屈で考えた内容ではなく、海外事例を翻訳したものでもなく、日本のビジネスパーソンが日頃から使用している文例である。

 それも、特別なビジネスパーソンが開発した文例ではない。スケジューリングを主な仕事とする、派遣社員のアシスタントが、日頃の工夫の中で使用するようになった文例も含まれている。

◆「押し付けがましさ」を緩和する一言とは?

具体的な日程候補を示すことができて、なおかつ、押し付けがましくないメール表現の実例は、次のとおりだ。