台湾メディアの自由時報は2月28日、台湾高速鉄道の運営会社の前副総裁が2016年11月、中国側と協力に向けた覚書を「ひそかに」交わしていたと伝え、これによって台湾高速鉄道の基幹技術や資料が中国側に流出した可能性があると報じた。(イメージ写真提供:(C)Wang SHIH−WEi/123RF)

写真拡大

 台湾メディアの自由時報は2月28日、台湾高速鉄道の運営会社の前副総裁が2016年11月、中国側と協力に向けた覚書を「ひそかに」交わしていたと伝え、これによって台湾高速鉄道の基幹技術や資料が中国側に流出した可能性があると報じた。
 
 こうした疑惑が解明されぬうち、台湾の一部テレビ番組で出演者が「中国は長期にわたって台湾のハイテク産業の機密を盗んできた」、「中国高速鉄道より台湾高速鉄道の方が優れている」と発言し、中国側で反発の声が高まっている。
 
 中国メディアの今日頭条は24日、台湾のテレビ出演者が述べた「中国高速鉄道より台湾高速鉄道の方が優れている」という発言に対し、「根拠のない、まったくのデタラメ」だと批判する記事を掲載した。
 
 台湾高速鉄道台湾北部の台北市と南部の高雄市を結ぶ全長348キロメートルの高速鉄道であり、新幹線の技術が採用されている。新幹線と中国高速鉄道がアジアを中心に受注競争を繰り広げているが、台湾高速鉄道中国高速鉄道より優っているという主張はつまり、「新幹線の方が中国高速鉄道より優れている」という意味としても捉えることができる。
 
 記事は、中国高速鉄道は「すべての中国人にとっての誇りである」と主張し、「台湾同胞は物事を正確に把握、理解すべきだ」と主張、日本から技術を導入して建設された台湾高速鉄道に対し、中国高速鉄道は今や世界最長の鉄道網を構築するなど世界最先端であると主張、「中国高速鉄道より台湾高速鉄道の方が優れている」という発言に対して激しく反発した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Wang SHIH-WEi/123RF)