川崎U-18の宮代は、U-17W杯では日本の攻撃の中軸として活躍が期待される。写真:竹中玲央奈

写真拡大 (全2枚)

 今年の10月、日本はインドで開催されるU-17ワールドカップに出場することが決定している。この大会には、先日のU-20ワールドカップに選出されたFC東京U-18の久保建英も出場する可能性があり、さらに能力は久保に勝るとも劣らないとも言われている同僚の平川怜も有力なメンバー候補だ。ただ、多摩川を挟んで反対側のチームにも、この世代を代表する選手がいることを覚えていてほしい。
 
 自身の特徴を「決定的なところを決めきる力や背後への動き出し」と語る川崎フロンターレU-18に所属するFWの宮代大聖は将来を嘱望されているストライカーである。中学生時代からその天性のゴールセンスは際立っており、U-18の試合にも飛び級で出場していた。
 
 プリンスリーグやJユースカップという公式戦でも得点を挙げるなど、その存在感は上級生を凌ぐほどで、中学3年の頃には高校年代の中でやっていても周囲と遜色なくプレーでき、トップチームの練習試合にも参加していたほどだ。
 
「あの年代にしたら飛び抜けていると思います。高3とやっても、『あいつ中3なの?』と相手も驚いていました。中3の時からエースですし、あいつがいないと本当にゲームがスムーズに回っていかない」
 
 今野章監督も、宮代が高校に進級したタイミングでこうした評価を述べていた。ただ、大きなインパクトを残した中学3年時から一転、高校生になり正真正銘U-18の一員となった昨季は思うような活躍ができなかったと、今野監督は続けて語る
「そのままの感覚できたけど、通用しなくなってきた部分があった。壁にぶち当たりました」
 
 しかし、2年生になった今年は一転して好調を維持している。プリンスリーグ関東で2位につけるチームにおいて6試合・4得点を記録し、クラブユース関東予選でもプレミアリーグに所属する横浜、鹿島、大宮という3チームを撃破する原動力になった。
 
「去年苦しんだ分、背後へのランニングやキープとかドリブルで持っていって仕掛けていくところ、彼の良い所がパワーアップしている。守備のところの意識もあるので。クラブユースも彼のおかげという面があった。彼がキープしてくれることで10メートル、20メートルとラインが上がっていくし、サポートもできるしパスもできる」(今野監督)
 
 逆に課題と言えば、狭い局面を崩していく過程で、あえて“消えて”スペースを作る動きや、厳しいマークがつくなか、相手の目が寄っていることを利用して味方を使うといった動きにある。しかし、前を向いてからの迫力やパンチ力のあるシュート、そしてここぞというチャンスには顔を出す嗅覚は天性のものを感じさせる。
 
 そして何よりも、常に抱いている「このままではいけない」という良い意味での危機感と、自身のプレーに対してまだまだ満足しないという向上心に、伸びしろがあるように思える。それも、代表でプレーして海外との差を日常的に感じているからだと語る。
 
「代表でプレーするなかでいつも差を感じるというか……。ここ(国内)で通用しても、そこで満足したらいざそういう舞台で立った時にできないので。日々の意識は大事にしている。マークもされていますけど、(年が)上の相手と戦うことも増えるし、自分たちの学年を相手にして2人来てもやれないと、この先では通用しない。そこは2人来ても個で抜けるような力がないと」
 
 目標とし、参考にしているのは大久保嘉人だと語っている。現状に満足せず貪欲にゴールを目指すその姿は、確かに通ずるものがあるかもしれない。
 
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)