鎌田が1年半前に描いた今夏の欧州進出プラン フランクフルト移籍は「行くの一択だった」

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鳥栖ラストマッチ後に移籍への想い語る 「お金を残していけるのは良いこと」

 ドイツ・ブンデスリーガのフランクフルトへの移籍が決まっているサガン鳥栖のMF鎌田大地は、ラストゲームとなった25日の浦和レッズ戦でアシストも記録して2-1の勝利。

 試合後には今夏の移籍が思い描いたとおりのものだったと明かし、「ポジションを勝ち取って試合に出続けて、ワールドカップのメンバーに入りたい」と決意を語った。

 前線の一角でスタメン出場した鎌田は後半20分、右CKでキッカーを務めるとFW小野裕二のゴールをアシスト。これが貴重な先制点となり、鳥栖は浦和相手に勝利を手にした。鳥栖に在籍して2年半となる鎌田は「こういうところで勝てるのが僕の持ってるところなのかな」と語り、「この2年半で一番いい雰囲気で、内容も最高だったと思う。最後にいい試合ができて嬉しい」と喜びを語った。

 鎌田にとって、このタイミングでの欧州移籍は目標を叶えたものになったという。東山高校から入団したルーキーイヤーの2015年を終えた時点で、「1年半後、今回のタイミングでの移籍を目指していた」と、そのプランでキャリアを捉えていたと明かした。そして、そこに舞い込んだドイツ名門からのオファーに「僕としては悩むところがなく、行くの一択だった」と決断した。

 その鎌田の喜びの一つは、移籍金をチームに残せることだ。契約満了時点でのゼロ円移籍や、海外移籍に関する特別な取り決めではない移籍について「何もない形で出るのは良くないと思っていた。お金を残していけるのは、僕にとってもチームにとっても良いこと」と納得感を見せた。

「長谷部さんから足りないものを盗みたい」

 フランクフルトには、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が絶対的な信頼を寄せるキャプテン、MF長谷部誠も所属している。鎌田は「異国の地で同じ日本人選手がいるのは大きいと思う」とした上で、2008年の1月から9年半に渡ってドイツでプレーしている偉大な先輩について、こう語った。

「向こうでやっていくうちに、長谷部さんの凄さは身にしみて分かっていくと思う。見て、自分に足りないところを盗んでいきたい。僕らしく今まで通り、自分に足りないものを成長させていきたい」

 ヨーロッパに挑戦する鎌田の目には、ハリルジャパンへの野心も見えている。来年のロシア・ワールドカップ本大会に向けた予選では招集されていないが、チームが出場権を獲得すれば、そのメンバー入りも競争になる。ブンデスリーガの名門クラブでレギュラーを獲得できれば、ハリル監督の目も自然に向いてくるはずだ。

「イチからの挑戦になるけど、ポジションを勝ち取って試合に出続けたい。そうすれば、A代表も見えてくる。来年のワールドカップのメンバーに入りたい」

 プロのキャリアをスタートさせてから2年半、鳥栖で成長を続けた鎌田はドイツへ旅立つ。その先に、日本代表の攻撃を操る存在へ成長するための道も続いているはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images