「英語っぽい話し方」超簡単な2つのコツ

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学生時代に1000時間以上勉強してきたことを生かせば、ちょっとの工夫で英語が話せるようになる、と上野陽子さん。今回は英語を話すために覚えておきたい基本の「型」と、英語っぽく聞こえるコツを解説します。

■持っている英語力を、使えるようにする

日本人は中学〜大学の間に少なくとも1000時間以上は英語学習をしているということは、前回「英語力を上げなくてもペラペラ話せる方法」でもお伝えした通りです(参考:http://president.jp/articles/-/22282)。話すためにはまだインプットが少なく場数が足りませんが、それなりの単語やフレーズが頭の中に入っているはずです。

今回は、学校で習った基本を使い、英語を話すための「型」の作り方と、知るだけで簡単に英語っぽく話せるコツをお伝えします。

学校の英語の授業で、私たちは5文型で英語の構造を覚え、完了形や進行形といった文法を体系付けて覚えてきました。だから頭の中は、一応整理されている状態のはず。しかし、英語を読む場面に比べて英訳をする機会はあまりありません。さらに英語に触れる機会が少ないため、すぐには思い出せないことが英語を話す足かせのひとつとなっています。

例えば野球をやっているとき、「こうやって打つ」と考えるまでもなく、瞬発的に体が反応するものです。しかし、練習から遠ざかるとだんだん感覚も鈍ってきます。お父さんが久しぶりに草野球をやって「打てない……!」となるようなもの。英語の力も同じです。英語の反射神経を鍛え直して、せっかく持っている知識と英語力を生かしてみましょう。

たとえば前回の記事(http://president.jp/articles/-/22282)で紹介した思考法を使うだけで、ずいぶんと英語が話せるようになります(詳しくは、拙著「mini版 1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール」に書いています)。また、日本人が勉強してきた5文型は、英語の構造をつかんで理解するのに役立つはずです。

実際に英語を話すときには、文型などまったく考えませんし、SVOCのことなどすっかり頭から飛んでいます。それでも、この「英語の型」はとても大切なのです。英語は主語を曖昧にできなかったり、話し始めにすぐ結論があったりと、日本人から見るととても「型にきちょうめん」な言語。でも逆に考えれば、この型に入れればいいだけだから楽なのです。

ここからは、その型の作り方を見ていきましょう。今回は、基本の型を2つご紹介します。

■瞬間的に英語を話すためのパターン化術

ここでは、作っておきたい「フレーズの基本パターン(型)」の一例をご紹介します。せっかく学校で習ったので思い出すために文法用語S(主語)やV(動詞)を使いますが、お互いに話を理解するための記号にすぎません。だから、用語や文型の名前は覚えなくて大丈夫。大切なのは応用のもととなるフレーズの「型」です。「誰が・何が」「どうした」などを型にあてはめてパターンを作り、瞬時に英文に応用しましょう。

繰り返しますが、英語の基本は「何が」「どうした」で、「まずは結論」から始まります。では、見ていきましょう。

【型その1】「何がどんな状態か」

例:I’m busy. 私は、忙しいです。

これは、「何かが」=「どんな状態か」を表すときの型。学校でS+V+C 第2文型として習ったものです。

例文の「私」=「忙しい」を他の英語に入れ替えて作文してみましょう。例えば、主語を「あなた」、動詞を「見える(感じられる)」に変えれば、

型その1。「何が=どんな状態か」ということを表す型は「S+V+C」です。
型その1の応用です。「私」を「あなた」、動詞を「見える(感じられる」)に変えるだけ。

You look nice. すてきですね(「あなた」⇔(見える)⇔「すてき」)。

一語入れ替えれば、

You look tired. 疲れてますね。

となります。

さらに応用して、次は相手を褒めてみましょう。

You are beautiful.(きれいですね)
 It looks delicious.(おいしそう!)
 That sounds great!(いいねぇ)なども同じ型です。

基本の型となるフレーズを使い、主語や動詞を入れ替えていくだけです。あとは、テレビを見ながらでも、「今のは英語でどう言えばいいかな」と考えてみるなど、日々繰り返してパターンに慣れて自分のものにすれば、瞬間的に英語にできるようになります。

【型その2】「主語が何かに働きかける」

もう一つだけ型を紹介します。今度は「〜を買う」「〜食べる」など、主語が何かに働きかける型になります。

(2) I installed apps. 私はアプリをインストールしました。

学校で習った「何・誰が」「何を・何に」「どうした」という、S+V+Oの第3文型といわれるものです。例えば「〜を買った」「〜を食べる」など、対象に何かをする、働きかけるときに使います。

「(毎日)私は、朝食を、食べます」ならI have breakfast (every day.)となりますし、ちょっと高度に「今日は、超多忙だったんだよ」なら、I had a hectic day!(私は超多忙な日を持ちました)となります。

応用してみましょう。

I installed a program(on the computer.)  PCにソフトをインストールしました。

(VOを変えて)
 I have breakfast (every day.) (毎朝)私は朝食を食べます。

(すべてを入れ替えて)
 She had a hectic day. 彼女は超多忙な日だった

こんな風に英語のフレーズをひとつ覚えて型とし、主語や動詞を変えて応用すること。これが、スラッと英語を話すコツのひとつです。

型が使えるようになったら、今度は「英語っぽく聞こえる話し方」です。ここにも、超簡単なコツがあるのです。

■英語らしく聞こえる、簡単なコツ

英語っぽく話すとなると、とかく巻かなくてもいい舌を巻いてしまいがちです。もちろんRやVの音が出せないことも、英語が通じない場合の原因のひとつ。でも、日本人の英語がいかにも日本人っぽく聞こえる最大の理由は、“話し方が平たん”なことなのです。

【コツその1】抑揚を付けて話す

アメリカ人が日本語を話すときの様子を思い浮かべてみてください。「ワタ〜シハ〜、アメ〜リカカラ、来マシタ」……よく、ふざけてマネするあのイントネーションです。単語の強弱が出て、話に抑揚があることが分かります。これは、英語という言語の特徴から来ています。

裏を返せば、この「ワタ〜シハ〜」のような「強弱」「抑揚」が、私たちが英語を話すときには必要ということです。

「ワタ〜シハ〜」となる英語の特徴を知って注意して聞き、自分が英語を話すときに応用してみましょう。ずいぶんと英語らしくなるものです。

【コツその2】弱い言葉は音をくっつけて話す

さらに、英語では大切な言葉を強く発音し、例えばaや the といった冠詞など、取りあえずなくても意味が通じる部分は弱く発音されます。

そこから、「強く発音される“間の言葉”は、何語でも等間隔で話される」という特徴もあります。“弱い言葉は何語でも等間隔”に話すためには、そのスピードで言いやすくするために音をくっつけるので、on the は「ona=オナ」のように聞こえます。

これが、聞いた時に「なんだか英語っぽいな」と感じられる特徴です。これを知るだけで英語が聞き取りやすくなりますし、話す時も英語らしくなります。

ちなみに上の型は、先に紹介した(2)の「主語が何かに働きかける型」で、(私⇒歌う⇒歌を)+(舞台で)です。

こうして英語の型でフレーズを作り、英語の抑揚や強弱を知ること。これだけでも、英語っぽくスラスラと話すことに一歩近づけます。

[脚注・参考資料]
「mini版 1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール」上野陽子 2017 アスコム
「名作英語いいとこだけの英会話」上野陽子 2011 ダイヤモンド社

(コミュニケーション・アナリスト 上野 陽子)