共同監督を務めたバレリー・ミュラー、
アンジュラン・プレルジョカージュ

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 天才バレエ少女が数奇な運命に翻弄されながら、成長を遂げる「ポリーナ、私を踊る」が6月25日、開催中のフランス映画祭2017で特別上映され、共同監督を務めたバレリー・ミュラー、アンジュラン・プレルジョカージュがトークイベントに出席した。ミュラーはドキュメンタリーや長編映画などを手掛けてきた女性監督。プレルジョカージュはフランスのコンテンポラリーダンス界を代表する振付師、ダンサーとして長年活躍している。

 バスティアン・ビベス原作による人気グラフィックノベルを映画化。厳格な恩師のもとで鍛えられ、将来有望なバレリーナへと成長したロシア人の少女ポリーナは、目標だったボリショイバレエ入団を目前にし、コンテンポラリーダンスと出会い、すべてを投げ打ってフランスのコンテンポラリーダンスカンパニーへの入団を決意。しかし、新天地には思わぬ不運が待ち構えていた。

 ミュラーは「成長しながら、自分を見出す。そんな現代的な女性の強さを描きたかったし、ダンスのすばらしさを伝える良い機会だとも考えた」と映画化の意図を説明。共同監督の形を選んだ理由について、プレルジョカージュは「人間の動きには、その人物像が映し出されるもの。まさに“体現”という言葉がふさわしく、この映画では体現そのものを追求したかった」と語った。

 それだけにキャスティングの基準は、「演技ができるダンサー、そして踊れる俳優」(ミュラー)。約300人が参加したオーディションを勝ち抜き、ポリーナ役に抜擢されたアナスタシア・シェフツォワは、元バレリーナであり、本作で映画デビュー作を飾った。ミュラーは「ダンスの技術はもちろんですが、自分を出し切る強さや、瞳に輝くミステリアスさが、主人公そっくりだった」と振り返った。

 また、原作には登場しないコンテンポラリーダンスの振付家役を「ショコラ」「ゴースト・イン・ザ・シェル」のジュリエット・ビノシュが演じており、プレルジョカージュは「気づいたら、主人公を除くと登場人物が男ばかりだと気づいてね。女性の活躍を描くことで、より現代的な解釈を加えたかった。映画を見た(原作者の)ビベスも『脚色が原作の本質を突いてくれた』と喜んでくれたよ」と話していた。

 「ポリーナ、私を踊る」は10月28日より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で順次公開。