Appleは、ライバルのSpotifyとの差別化を図るべく、Apple Music限定配信の番組に力を入れていますが、成功しているとは言えません。Appleの内部事情に詳しい関係者が、その真相を語りました。

順調に進まないAppleの番組制作

Appleは、独自制作番組「Planet of the Apps」をApple Music限定で配信しています。Appleがプロモーションに力を入れているものの、アプリ開発者に焦点を当てた同番組の評価は、決して高いとは言えません。
 
また、テレビ番組の人気コーナーの権利を買い取った「Carpool Karaoke」は、配信開始が当初予定の4月から8月へと遅れることが発表されています。
 

 
Appleとしては、音楽ストリーミングサービスで2,700万人の会員を持つApple Musicが、5,000万人以上の有料会員を持つ最大手Spotify追撃のため、限定配信コンテンツで独自性を打ち出したいところですが、その取り組みはあまりうまく行っていないようです。
 
その真相を、Apple内部の事情を知る人物がBusiness Insiderに語っています。

テレビ業界では存在感のないApple

Appleで、Apple MusicやiTunes、Apple Payなどの事業を率いるのが、インターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長のエディ・キュー氏です。
 

 
Apple Music部門の元社員は、キュー氏を「非常に頭が良い」と評価する一方で、「Apple社外との交渉では非常に攻撃的になる」と語ります。
 
キュー氏は「相手がAppleを必要としている」という姿勢でテレビ業界との交渉に臨むものの、コンテンツ制作者はAppleを必要とはしておらず、交渉が上手くいかないようです。
 
NetflixやHulu、AmazonそしてHBOといった大手がひしめくアメリカのテレビ業界にあって、現在のAppleには存在感も、交渉を有利に運ぶための条件もありません。

これまでの交渉が通用しない

キュー氏は、Apple Music部門の皆から尊敬を集め、聡明な人物と評価されているそうですが、これまでの交渉では一定の効果があった交渉スタイルが、テレビ業界との交渉ではマイナスに働いているようです。
 
Appleは、iPhone用部品のサプライヤーになりたがるメーカーと、テレビ業界との違いが分かっていない、との声も聞かれます。
 
また、2014年に30億ドル(現在のレートで約3,300億円)でBeatsを買収したことで、音楽業界に詳しいジミー・アイオヴァン氏とドクター・ドレ氏がApple Musicのリーダーとなりましたが、音楽と映像の世界は違い、Appleの映像制作は指揮官不在の状態になっていたようです。

テレビ業界からの大型引き抜き

Appleは先日、Sony Pictures Televisionの役員、ジェイミー・アーリチト氏とザック・ヴァン・アンバーグ氏の2人を引き抜いたことを発表しました。
 

 
多くのヒット作を送り出してきた実績を持つ両氏は、キュー氏の部下として勤務することが明らかにされています。
 
テレビ業界を知りつくし、輝かしい実績を持つ2人の加入が、Appleの今後の番組制作にどう効果をもたらすか、注目です。

 
 
Source:Business Insider
Photo: Variety
(hato)