昨季限りでローマを退団したトッティだが、その去就はいまだ流動的。東京Vの獲得はあるだろうか。(C) Getty Images

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 6月25日、東京ヴェルディの羽生英之社長は町田市立陸上競技場内でメディアの取材に応じ、一部スポーツ紙で報道されたフランチェスコ・トッティ獲得に向けたクラブの動きを認めた。

 
 トッティは現在40歳で、16-17シーズンまで連続25季に渡ってASローマでプレーしていた“ローマの王子”として知られる存在だ。セリエAでは通算619試合に出場して通算250得点を挙げ、イタリア代表でも通算58キャップを数え2006年のドイツ・ワールドカップでは世界制覇に貢献した。すでに16-17シーズン限りのローマ退団が発表され、5月28日のジェノア戦でサポーターとの“お別れ”も済ませている。ローマは幹部就任をオファーしているが、本人は現役を続行する意向だ。
 
 羽生社長は「本人がヴェルディに興味を持っているみたいで、たまたま私たちが懇意にしている人からそういう話があった。『それは興味深いですね』という話から始まった。私たちを支えてくれている人に話をしたところ、『それは考えてみてもいいんじゃないか』ということだった」と交渉開始の経緯を説明。
 
 先方の希望する金額とは大きな差があるとのことだが、トッティの肖像権など権利の取り扱い次第で、折り合う可能性があるという。
 
 スポーツ紙上で報道された年俸額(100万ユーロ/1億2400万円以上)については「全然違います。紙面に書いてあったくらいの金額なら、誰の力を借りなくても、入場料収入の増加などで持てるリスクの範囲内。ウチの役員会だけで決めればいい話」と述べ、“それ以上”のオファーを示唆した。
 
 また東京Vは22日にスペイン人FWカルロス・マルティネスの獲得を発表。すでに外国籍のアタッカーを3人保有している。しかし同時起用は3名までだが、登録は5名まで可能ということもあり、そこは獲得の支障にならない。羽生社長もすでにロティーナ監督へ相談済みで「『もし話があればどうする?』と聞いたら『使いたい』と。そこはちょっと安心して、交渉しようと思っている」と明かしている。
 
 もしトッティの東京V入りが実現すればJリーグ、日本サッカー界全体にとって素晴らしいニュースになるが、契約までの道のりは決して平坦ではない。トッティにはアメリカのクラブなどからもオファーが来ており、「アメリカのチームは我々の倍以上を提示している」とのこと。一方でトッティ自身に「幼少期にキャプテン翼がすごい好きだったとか、そういうことも絡んでいる」という東京へのシンパシーがあり、そこはトッティの“気持ち”に期待する部分になる。
 
 トッティ本人は現在バカンス中。帰国後に複数のオファーを比較し、最終的には彼が決断することになる。羽生社長は交渉の見通しについて「まだまだ何も決まっていないし、自信があるともいえない」と述べ、明言を避けた。
 
取材・文:大島和人(球技ライター)