生活が一変することもある「脳梗塞」 予防はできる?

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執筆:藤尾 薫子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ

脳梗塞と聞くと、自分とは縁遠い病気だと感じる人も多いかと思います。

しかし、高血圧症や脂質異常症・糖尿病の病気を患っている人には起こりやすい病気です。

脳梗塞により後遺症が残ると、今まで通りの生活ができなくなり、生活の質を落としてしまう可能性もあります。

発病することを考えると怖い病気ですが、生活の中で脳梗塞の発病を防いでいく方法はいくつかあります。

ご一緒にその方法を確認していきましょう。

脳梗塞はどんな病気?

脳梗塞とは脳内の動脈が狭くなったり、ふさがってしまうことで、その先の血流が途絶え、脳の組織が壊死してしまう病気です。

脳梗塞が起こった部位により、さまざまな症状が出ます。

「言語障害」や「手足の麻痺」などの後遺症が残る場合もあり、「寝たきり」の原因となる疾患の第1位です。また、高齢化にともない、脳梗塞の罹患率が増加することも予想されています。

ですから、私たちは脳梗塞にならないために、生活の中で予防していくことがとても大切となります。

そこで、次から脳梗塞の予防法を紹介していきます。

脳梗塞の予防法(1) 生活習慣病の治療

脳梗塞は「高血圧症」「脂質異常症」「糖尿病」の病気を持った人に起こりやすい病気です。


これらは自覚症状が乏しい病気ですが、確実に血管に負担を与え、脳梗塞を突然発症するきっかけとなります。

これらの病気と診断され、食事や生活習慣を見直すだけでは改善しない場合は、医師の指導のもと内服治療が推奨されます。

また、不整脈が原因となり、心臓で作られた血栓が血流により流されて、脳の動脈が詰まってしまう「心原性脳梗塞」は、脳梗塞の中では最も重症で予後不良となる脳梗塞です。

よって、健康診断などで不整脈を指摘された場合には、必ず病院を受診しましょう。

脳梗塞の予防法(2) 生活習慣の見直し

脳梗塞の原因となる生活習慣病として、先に述べた高血圧症・脂質異常症・糖尿病などの病気があります。


中でも、高血圧症が原因で起こる脳梗塞が一番多いとされています。

血圧が高めの方は、以下をポイントに生活を見直しましょう。


・塩分を控えめにする

・適正体重を目指し、食事量は腹八分目にする

・適度な運動を取り入れる

・野菜や果物を積極的に食べる


毎日多量に飲酒する習慣や喫煙習慣も血圧を高くしてしまう原因です。週2日は休肝日をつくり、適正量を守ってお酒を楽しみましょう。

また、タバコの本数を減らす「節煙」では、血圧を下げることはできません。節煙ではなく、禁煙に挑戦しましょう。

高血圧症のみでなく、脂質異常症や糖尿病の人もこれらの習慣を取り入れることで、数値の改善が期待できます。

さらに、健康診断の結果で、「LDLコレステロール」の数値が高い状態にある人は、動脈硬化が進みやすく、脳梗塞にかかるリスクも高くなります。

そのような方は、脂身の多い肉類や揚げ物の摂り過ぎを控えましょう。

また、食物繊維には腸内での油の吸収を抑える働きがあります。そのため、食物繊維を多く含む野菜・海藻類・きのこ類などの食品を食べることも効果的です。

また、脳梗塞が多発する時期は夏です。夏の炎天下で運動をする際に起こることもしばしば。

暑い環境でたくさんの汗をかいた時は、血液中の水分が不足して脱水の状態になります。

すると、血液がドロドロとして濃くなり、血管が詰まりやすくなります。

ですから、汗を多くかく夏場には、水分をしっかりと摂ることを心がけていきましょう。

脳梗塞の予防法(3) 症状が出現したら受診を

脳梗塞の4割は睡眠中に発病します。

起床時に片方の手足が動かしにくい状況や、しびれ・ろれつが回りにくいなどの症状が出たときには、脳梗塞の可能性もあります。

すぐに病院を受診しましょう。

また、脳梗塞を発症する前に、短時間での手足のしびれ・手足の脱力が何度か繰り返し現れることがあります。

これは、脳梗塞の前触れで「一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)」と言います。

この発作は、数分から十数分続くもので、一過性脳虚血発作を起こした人のうち30〜40%の人は後に脳梗塞を発症することが分かっています。

症状がすぐに良くなったからと安心して放っておくと、脳梗塞を発症する可能性が高くなります。

一度でもこの発作を起こしたら、病院受診をしましょう。


脳梗塞にならないためには、まずは生活を見直していくことが大切です。

もし、脳梗塞を発症してしまった場合でも、早期に治療を開始することで、その後の後遺症を最小限に抑えられる可能性もあります。


どのような症状が起こりうるのかを知り、起こりやすい時間帯や季節を知っておくこともとても重要なのです。


<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
助産師・保健師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン


<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供